一條七瀬メモ1

一條:………あの、神是さん?これはどういう意図で…


神是:あ?何だ、さっき言ったろ。テメーの監視に使うから着けろって言ってんだよ。


一條:私の故郷では、お揃いの腕時計を贈るということは……とても重大な意味を含みます。


異性に贈るのであれば、"同じ時を歩みたい"であったり、"貴方を束縛したい"ととられる事が多いです。何れも私達には似つかわしくありません。


神是:……………あー。真面目な面で何を言い出すかと思えば…


(呆れた表情の樹は、七瀬の頭を軽く小突いた)


此処は日本だ。それに早とちりし過ぎだな。


一條:い、痛いです……神是さん。


神是:何も俺は、この時計をお前にくれてやると言ったつもりはない。


一條:………………응?(……え?)


神是:検査に使えるから貸してやる、って言ったんだ。おら、つべこべ言わず着けろ!


一條:ひ、捻らないでくださーい!いたたた、誰か助けて……!


駮馬:(いいな おじさんと おそろい のとけい ぼくも ほしい)


キモナシ:もう少し大人になったら、お願いしてみたら?樹はあーいうの詳しいからねぇ。お勧めの見繕ってくれそう。


駮馬:(でも とけい まだよめない や ながいはり みじかい はり むずかし)


キモナシ:ゆっくりで良いよ。お兄ちゃんや樹に教われば、読めるようになるさ。

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