とある夢の記録

……手が、指が…相手の首筋に食い込んでいく。震える手で力の限りに締め上げる。


なんで、どうして。お前と言う奴は抵抗しない…?だらんと力なく垂れ下がった奴の両の腕は、早くも痙攣を始めた………


口から垂れた涎が、手にかかる。そんな様子でも尚…抵抗するそぶりがない。


……いや、もう抵抗する程の体力は無いのか。


その瞬間、奴の身体から力が抜けた。気づくと手に感じていた脈動が止まっている…


恐る恐る手を離す。支えを失ったマネキンのように、鈍い音を立てて"それ"は地面に転がった。


俺に出会う前まで、確かに"ヒトだった"もの。


初めて人を手にかけた。無抵抗の女を。あたかも玩具であるかのように、壊した。


理由なんかない、壊したいからそうしただけだ。


なのに、なんだ………この悪寒は?


詰る事も、抵抗すらしなかったこの女の身体を見ていると……酷い吐き気と頭痛が襲う。


耐えきれず目を閉じると、俺はそのまま座り込んだ。


…………筈だった。


身体が楽になったと思ったら俺は、寝床にいた。自宅の、自分の寝床に。混乱している俺をよそに、呼び鈴が鳴る。出迎えたのは…警察だった。

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