とある神の昔話

?:不老不死で万物を統べる力……我に挑む権利があるのは、全てを背負い前を向ける奴なのかもな。


………ふ。(資格なき者に)我を傷付ける事は不可能。返り討ちにしてくれる!


……!(刀で………傷を…!?)お前…何者だ?


我は痛みなど感じぬ。それに……薬も効かぬ。だがお前が一時的に動くなと望むなら…吝かではない。


我の力を得んとするか。即ち我を倒す事なり。


察しがいいな。そう…力と共に不老不死も引き継いで生きるのだ。輪廻の環…また次の候補者に継ぐまで。


ふふふ……死を恐れないのか……だと?恐れるような奴はそもそも資格を持ち得ることはないと言われている。


伏せろ!死にたくなければ動くな。


………全てを貫け神の槍、ゲイ・ボルグ!


ふん。人のみならず妖、果ては幻獣と呼ばれる存在にまで命を狙われ続けているのだ……いちいち恐れてなど居られるか!


どちらにせよ、資格なき者に攻撃されようが傷ひとつ受けぬのだ…


無論、"自分自身"もな。

(側に落ちていた刀を手に取ると胸元を刺す。涼しい顔で引き抜いたが血が滴る事もなく…傷口すらも其処には現れなかった)


自ら死を選ぶことは赦されぬ。引き継いだ以上は…な。


お前達に資格があると言えど…この力、引き継げとは言わぬ。生半可な覚悟で背負えるほどこの柵は軽くない。


勘違いするな。今我が言った候補者の条件など………推察に過ぎぬ。お前達の事を決め付けるつもりは毛頭ない。そもそも我がこの柵に囚われて40年。候補者に会ったのはお前達が初めてだ。だからこそ推察に過ぎぬと言っている。


………?我の年齢…か。見た目に40を足せば自ずと導くこともできよう。不老の影響よの……柵に囚われた瞬間から、見た目が変わることは無くなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る