わんこ君4
院長:ま、まさかあの部品が電気枷とは思えないか。とにかく……僕はその時このファイルだけ貰って戻ってきたんだ。だからわんこ君があの後どうなったのか…僕も知らないんだよ。偶然っちゃ偶然だけど…
(院内を彷徨く彼だがとある部屋の前で立ち止まった。表札には"院長室"と記されているようだが……)
…………が……………訳では…?
違…………偶然……………
?:(……声が聞こえる。彼奴等か……?結局全て同じか……
……外に出る出口は確かに見当たらなかった。囚われの身なのは変わらない。ならいっそ………)
(彼は腕を振り上げ戸を殴ろうと構えた)
院長:………ん。ちょっとバカ弟子、彼が来たよ、戸を開けたげて。
人間:……!あ、分かりました…
(戸を開けると腕を振り上げた彼と鉢合わせた。不意を突かれた彼は逃げようと背を向けた)
院長:待ちな、わんこ君。君の話をしてたんだから。良ければ此方で話さないかい。
?:(……俺はお前らに話すことなど無い。)
院長:じゃ、僕らが何を話してたかについてはどう?別に伏せるつもりはないから興味があれば聞いていきなよ。
?:(なら……何故俺から隠れて話している。疚しいからじゃないのか!)
院長:や、そう思わせちゃったなら謝ろう。ただ過干渉しちゃ悪いかなと思ってさ。
人間:(………え。伏せるつもりはないって……聞かせたくないから場所を変えたのかと思っておりました。)
院長:………なんか失礼な事考えてない?
人間:え、や…やだなぁ。そんな事ないですよ、あはは……
(前々から思ってましたけど師匠って……エスパーか何かでしょうか?彼と意志疎通が図れていますし…羨ましいと言いますか。)
院長:(全部聞こえてるよ、バカ弟子。あえて突っ込んではないけどさ…
"声が聞こえる"のって良いことばっかりじゃないのよ。伏せたいことも何もかも聞こえちゃうの。過去のトラウマとか…ね。)
?:(……ふん。俺の事を噂するなど…くっ…!傷が痛む………。まただ、また悪夢が………)
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