戦場の天使2
兵士:…分かりました。
エル:ふむ。さっきから気になっていたが……戦う意思も覚悟もないのに、何故戦場に居るのだ?
兵士:私の国には…徴兵制度があります。拒否権はありません。多くの者が、無理やり戦争に駆り出されているのです。
エル:………ちなみに、拒否するとどうなる?
兵士:家族もろとも、殺されます…
私にも、妻と子が居ますから………
エル:……それでも、戦わないんだな。同郷に見られればまずいだろう?
兵士:死にたく無いですし………何より。血塗られた手で、家族を抱きたくありません。だから誰にも見られないよう、逃げてます。
(突如一発の銃声が響く。エルの腹部に銃弾が命中した)
兵士:………!?大丈夫ですか?
隊長:おやおや……?君、うちの兵士じゃないですか。何故殺さないんです?自国の兵以外は全て殺せ。
よもや、通達を忘れたわけでは無いでしょう?
兵士:で、でも………彼は兵士では無いんですよ……?武器も持ってないですし…
隊長:何を緩い事を言っているのですか。身一つあれば相手の油断を誘い、貴方のような素人、簡単に殺せる特務兵士ならどうするのですか?
現に見なさい。腹部に銃弾が命中して、涼しい顔をしている。やはり危険な存在でしょう。殺りなさい。出来ないなら……(銃を構える)
エル:おい、オッサン。勝手に事を運ぶな。戦意のない民間人に手を出すのは、戦争のルール違反だと知らねぇのか?
隊長:貴方に戦意がないか…分かりませぬな。それに私の意思ではありません、国からの通達。逆らう等愚か者のすることです。
エル:……はっ。愚か者……ねぇ。(洗脳というよりは…好き好んでやってるのか。下衆が。)
隊長:………時間です。貴方は用済みですね、さようなら。
(放たれた銃弾が兵士の眉間を貫いた。即死だったようだ。)
エル:けっ。何度みても胸糞悪ぃ。何時だって戦争で泣くのは立場の弱い奴、か。
隊長:次は貴方です。きっちり殺して差し上げますから。
エル:……それは無理だな。
隊長:…………はい?今、何と?
エル:無理だって…言ったんだよ!聖剣アルテマ!
(呼び声に応じ、アルテマが実体化した。エルは相手を睨み据えると剣を構える)
隊長:ほぅ。銃を相手に剣ですか。愚か者はつくづく妙な戦い方をしますね。
エル:減らず口はあの世で言いな!剣舞、キトレニ!
(相手の引き金が引かれたと同時に連擊を叩き込み相手を仕留めた。)
………聖剣アルテマよ。彼の者共の魂を導きたまえ。
(地面に剣を差すと冥界に魂が導かれ消えた)
………行くか。次は何処の戦場に赴くかな…
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