戦場の天使1
兵士:嫌だ……!僕は、戦いたくないんだ…
エル:………?なにやってるんだ、アイツは。戦う意思も覚悟もない兵士が戦場に居るなど………
(いつかドミニオンが言っていた。ヒトは…「戦い、争い、裏切り、略奪。それしか頭にない連中だ」…と。俺は……そうは思えない。)
かつて俺がヒトとして生きていた頃……片割れは戦いや争いを嫌っていた……。
俺自身は片割れに戦わせないため、戦い続けた……拐われたあの日も。
だが結果はどうだ?片割れは生体魔導兵器にされた。俺がついていながら……。そしてその片割れは、逝けない身体になってしまった。
俺は……片割れを置いて、寿命で逝ってしまった。たぶん今も…片割れは何処かで存在し続けている。
早くも、俺が逝ってから12年が経とうとしている……
不甲斐ない兄ですまない。
今更お前に会わせる面もない…
(会ったところで、赦してはくれぬだろう…守護者、失格だな…)
……さて。アイツに話を聞くか。
(俺は天使に転生し、地上での任を遂行しつつ、時折ヒトの戦場に赴く。戦争の道具にされた片割れを想いながら……)
………そこの兵士。何をしている?
兵士:ひっ…!?(剣を構えるが震えている)
エル:…落ち着け。俺に戦意はない、通りすがりの民間人だ。
兵士:……(気が抜けたように地面に座り込んでしまった)何の…御用ですか……。
エル:俺は時折戦場に赴いて、兵士と話をしている。良ければ付き合ってくれないか。
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