後編:ヘルムとの出会い2

エル:………っと、ヒトのあんたが此処に居ちゃまずい。何時から居たか知らねぇが…見ろよ。あんた目当ての雑魚が群がって来やがった。


?:(旨そうなヒトだぞ……

あの獲物は俺のだ…!)


ヘルム:な……!?ここ、一体…何処なんです?


エル:……説明は後だ!動くなよ!

(エルは背後に背負った大剣を構える)

マヴェットの使いの雑兵よ…聖剣アルテマの名の元に汝等を呪縛から放たん!穢れ無き魂に戻れ!


(大剣を地面に突き刺すと群がっていた魔物が一掃された。辺りを窺うが気配は感じられない…)


よし、行くぞ。ヒトがこんな異界で居ていいもんじゃねえ…死ぬぞ。


(ヘルムを抱えると異界から脱出した)


……壁の側の身体があんたのか?早く戻った方がいい…戻れなくなる。


ヘルム:あ…ありがとうございます。ちなみに……どうやって戻るんでしょうか。(機械の私が幽体離脱……?)


エル:え。そのまま自分の身体に触れれば戻れると思うが(俺に聞くなよ…)


ヘルム:………あ…戻れました。(うーん………不思議ですね……?)


エル:俺は先に壁の穴を塞ぐか…(ヘルムに背を向けると壁に剣を突き刺した)


研究者:あ、ヘルムさん!この前話してた件ですが………


ヘルム:ああ、あれですか。どうでしたか?


研究者:それが……(何かの資料を見ながら相談を始めた)


エル:…………ん。終了。(やはりあいつ以外のヒトには見えないようだな……なんか理由があんのか?)

ひと休み、すっかな………(そのまま寝ようとする)


ヘルム:あの……せめて眠るならベッドを使ってくださいよ……。(ゆさゆさ…)


エル:……………ん……?しまった、そもそも寝てる場合じゃねーや。身体…戻らねーと。(横たわっていた人形に触れて元に戻った)


ヘルム:え………?その身体…エルのだったんですか。


エル:ああ。ほら…(服を捲ると刺青が彫られている。エル・アークと印されている)


ヘルム:す、すみません……森で倒れてる身体を見つけて連れ帰ってしまって。


エル:………構わん。むしろ無造作に置いた俺も悪かった。

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