後編:情報交換3

エル:…そうだ、あんた……名前は?ただのヒトにしちゃ色々気になることがある。


ヘルム:あ…えーっと……私の名前はヘルムです。御察しの通り……私は人間ではありません。


エル:ヒトじゃ……無いのか?(ヘルム………?どこかで…………。)


ヘルム:元人間の……生体魔導兵器と呼ばれる機械兵です。


エル:妙だな。生体魔導兵器なら半分ヒトだろ?確かそうだった筈だが…


(ヘルムは静かに首を振る)

ヘルム:もう……私の身体は全て機械です。故郷のメラッドが壊滅する前…身体を失いました。


エル:………ふむ…それならば何故…どうやって…異界に来た?身体から抜けて…………


ヘルム:…………私にも分かりません。あなたが、壁に消えたのを無意識に追い掛けたら……


エル:そういえば、唯一俺の姿を見れてオマケに触れられるときたもんだ。


機械だから見える………?それでもおかしい。天使に触れるには相手も魂の状態になる必要がある。異界に行くにしても魂だけだ。


ヘルム:そう…なんですか…?


(エルは無言でヘルムを観察している。なにかを見透かすように…)


……あの……そんなに見つめられると。


エル:……ふぅ…………結論から言おう。

確かにあんたの身体は全て機械のようだ。ただ…………(頭を指す)そこに魂が宿っている。


ヘルム:頭…ですか?そこは私の人格や記憶を記録したチップが有りますけど…(一回、損傷して私は眠りにつきました。魂があるなら何故…?)


エル:まさしくそれだ。そのチップとやら……交換しなかったか?

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