行方不明の友達
乙梨:………お友達、捜してるの。二日前から、帰ってこない。
日向:友達が…………帰ってこない?二日位なら家族と旅行にでも……
(乙梨は、ぶんぶんと首を振って否定する。どんな言葉よりも雄弁に"それはあり得ない"と言っているようだった)
……ならば、何か根拠があるのですね。そこまで確証を持つほどの何かが……
乙梨:あのね、雨龍に家族なんか居ないの。
日向:………!?今、何と?(まさか、あの子の家族データが空欄なのって……?それに………)
乙梨:………雨龍だけじゃない。僕も、重悟も…みんな家族なんか居ないの。だから、三人で一緒に住んでるの。だから旅行とか……あり得ないんだ。
日向:そんな………事って…
神是:………愚かな。行方不明だと分かっているなら、警察に届けを出し、大人しくしていればいいだろう。よもやお尋ね者でもなかろう?
乙梨:………樹は知らないから、そんな事言えるの。
神是:何だと?まさかお前たち、本当にお尋ね者だとでも言うつもりか………!
乙梨:………大人は、助けてくれない。けーさつも、お医者さんも…誰も。
日向:樹……?これは…事実、なのですか?
神是:俺に聞かれても……正直初耳です。
日向:そうですか。乙梨君……先ほどチラッと名前が聞こえたのですが、もしかしてあなた方が捜している人の名前は……
天野雨龍(そらのうりゅう)君、ですか?
乙梨:………うん。おじさん、知ってるの?雨龍はどこにいるの……教えてよ……
神是:どうするんですか。まさか…逢わせるつもりですか?
日向:………ええ。もう伏せておく必要は無いでしょう、彼等の目的も把握できましたし。……ご案内します。動けますか?
乙梨:うん、だいじょぶ。連れてって?
日向:分かりました。樹、八重間君を任せても構いませんか?
神是:はい。了解です。(まだ暫く、目は覚めないだろう……その間、少し休むか…)
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