第6話花畑に消え入りそうな君

まだ夜に突入しないようだ。


夕焼けの茜空は永遠に続くのか。


「夕焼けって和むね」


一度君と海を見に行った時も夕焼けだった。


「子どもの頃に戻ったみたい」


あの時見た太陽は今と同じ色だったか。


「(永遠に続くものを信じるつもりか)」


君とずっと一緒に過ごすものと思っていた。


「私を離さないでね」


「(永遠を過信し過ぎだ)」


抱きしめた君の華奢な体はあまりに儚い。


電車の車両内は花畑が広がる。


君の面影が遠ざかっていく。


花畑のベッドに横たわる。


このまま花葬されて空に溶けるのもありか。


2019(R1)9/15(日)

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