非日常な休暇とワンピースは突然に

さて、バイト先でのスライム騒動から数日が経った。 俺はあの後、『やり過ぎ』と店長からお叱りを受け、バイト先は大規模店内清掃の為、バイトは当面はナシになった。一応、言っておくがクビになった訳じゃあないからな!?寧ろ御礼して欲しいくらいだよ…巨大なスライム相手に、お客さん達を助けたし店の損壊も免れた訳だしな…?

しかし…いざ休暇となるとやることは思いつかないもんだな…、

と思ってたらソファーに寝る俺に、テレビドラマを食い気味に観ていたライナから声をかけられた 「未知…!暇なのでしたら、此の後、私と服の買い物に付きあって貰えませんか!?」 まぁ、いいか、断わる理由も無いしな…。

「買い物?…いいよ?」と俺は承諾した。

そして、ライナがテレビを観終えた後、俺は大きめのリュックに財布を詰め込み、行き先を聞く、

「この国の服屋さんに!」 「服屋?」 服屋か…、そういえばライナは甲冑と中に着てた厚めの白いTシャツしか着て無いものな…。「しかし…その格好…暑くないのか…?」前々から抱いた疑問を口に出す…。それに答えるライナ。

「正直…暑いですよ…?しかしこの部屋があまりに涼しいので今まで平気でしたが…」 「平気でしたが…?」続いてライナが1言… 「あの"どらま"とやらに写ってたあの華やかなワンピースが着たくて…、そしてそれを着て、貴女と"海岸でぇと"とやらをしたくて…」恥ずかしそうに話すライナ…、ああ…この娘はドラマに影響されるタイプか…、まぁ今の時期なら海岸に遊びに行ってもいいか。それにどれだけ遠くても、ウチにはあのグリフォンがいるしな。然し…デートの意味をわかっているのか…、ライナは…?

そして俺達は準備を済ませ、上空をぐるぐる飛び回るグリフォンをライナが笛を使い、呼ぶ。

そして俺達はグリフォンの大きな背中に跨がる。今回は服屋に行くので俺が先頭に跨がり、スマホを片手にナビをする、その後ろにライナが俺に引っ付く形で跨がる。そしてグリフォンに声を掛け、その瞬間グリフォンは勢いよく上空へ翔び立つ。

そうして飛ぶ事、三十分…。お目当ての服屋に着いた。前の買い物みたく、広めの駐車スペースを見つけ。そこへ静かに降り立つ、しかしバイト先でも度々思うが空想上の生き物がここにいるというのに…、街行く人々の目に止まらないのは何故なのか…?やっぱりあの事件以来、この世界の常識が改ざんされてるのか…?でも誰が…?何の目的で…?

いや、これ以上はよそう…、考えても今は分からないし、この非日常な休暇を楽しむ事にしよう…。

さて、服屋に入る俺達はまずは無難に婦人コーナーに訪れる。そこにはワンピースはいくつかあるが目的であるドラマのヒロインが着てた華やかなワンピースは見つからない…。

埒が明かないので女性店員さんを呼び、「この娘に似合うワンピースを何着か見繕ろって下さい」と言いTシャツ姿のライナを店員に差し出す。因みに試着コーナーにいるので他の男性客には見られてない、だが同性の女性店員ですら眼が釘付けになるくらいライナはスタイルがいいのだ…、金髪ロングで幼さなさの残る顔立ち…。これで有名女優さんが着るような華やかなワンピースなんか着たら同性の俺でも惚れるだろう…。

一時間経った頃、店員さんがオススメしてくれたワンピースを着た彼女がゆっくりと試着コーナーから出る…、その出で立ちは、さながら、そのまま3次元から飛び出したような美しさ、俺だけでなく他のお客さん達、店員さん達にも注目の的だ。

そしてライナが一言「あ、あの…、そんなにマジマジと見られると恥ずかしいです…」モジモジしながら喋る彼女は今すぐ抱き締めたいくらいに愛おしさを感じていた…。だがここは公衆の場だ…。その気持ちを振り払い。ライナに聞く

「それでいいのか…?目的のとは違うけども…?」 するとライナが…

「いいです…未知の眼がそれでいいと言っているので…」 どんな眼をしてた!?俺っ!?「そ、そう…?じゃあ…そのまま、水着も買うか」

海岸に出掛けるのなら水着も買わないとな。

するとライナが一言「水着?」

俺は聞く「知らない?」 水着も知らないのか…?これは俺が側にいないとこの世界では生きられないぞ…?

そして、水着コーナーに到着。この辺で大きな服屋ってだけあって水着のバリエーションも豊かだ。普通のから派手なものまでなんでもごされだ…。

そして水着も選び終え、会計を済ませて、その日の服選びは終わり、ワンピース姿の女騎士ライナと共に帰路へとついたのだった。因みに帰り際にライナに執拗に自前の豊か過ぎる胸を押し付けられて内心、俺はドキドキしっぱなしだった。


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