貴
さぁさいらっしゃい。
今回も少ない糸で織り成していこうか。
貴方は私の事を同類と評した。
私は、私と貴方は似てるようで違うと思う。
透明なガラスの上と下。
系統は同じでも性質は異なる。
自分を美化したらこんなところだろうか。
本心から言わせてもらうなら
貴方が私の前で魅せる姿と私は全くと言って違うと思う。
それは貴方の前に映す私然り、私自身然り。
貴方が私の前で創り出す貴方は器用貧乏。
何でも出来る人であり、何にも出来ない人。
効率良い人のようで無駄の多い人。
じっとりと背中に感じる気持ち悪さのような
食べ過ぎて動けないときのあの嘔吐感のような
これが貴方の矛盾なのだろうか。
時々感じる不快感を無視せずにはいられない。
誰にも聞かれない私の話を次回はしようか
今回は貴方の話でいい。
ふと今、目の前の物々を見て、
私から見た貴方を表すのに適した言葉を思いついた。
貴方は鏡の使い手だ。
そう、鏡の使い手。
自分で思いついた表現に自分で勝手に納得している訳だが
自閉した中で理解しててもしょうがない。
細々と書き綴るとしようか。
貴方の正面に動かない一枚の鏡がある。
貴方本体を写すそれを見て表情を歪ませる。
貴方はサイズ、縁の違う多種多様な鏡を
ありとあらゆるところに取り付ける。
貴方の一部分しか写らないそれを反射させて
正面の貴方に重ねる。
反転。反転。反転。
貴方の破片は、写す鏡でズレ歪み変わって
造られた貴方ができる。
枚数を変え
重ね方を変え
反射を変え
表情の無い貴方になる。
あぁ、しっくりきた。
そうか、貴方は鏡を使っていたのか。
独り爽快感に浸っている。
今貴方は何をしているだろうか。
考えても仕方のないことか。
それではこの続きは、また次回。
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