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第597話 ティルラちゃんはラーレにまた乗りたいようでした
第597話 ティルラちゃんはラーレにまた乗りたいようでした
「あ、ランジ村に行くんだったら、どれくらい移動時間がありますか?」
「ん? そうだな……クレアもティルラもいるから、数人は使用人も連れなくてはならない。森へ行った時と同じく馬車移動になるな」
「……馬での移動より少々時間がかかりますからな。長く見て四日から五日といったくらいでしょう。急げば馬と同じく三日程度で到着できるでしょう」
皆でランジ村へ行く事が決まり、俺やクレアさんも残っていた料理を頂いて夕食を済ませた後、ティータイムの待ったりした時間。
その途中で、ランジ村への移動時間の事が気になったので聞いてみた。
馬車で四日前後か……だったら、俺はレオと一緒だしエッケンハルトさん達が出発した三日後くらいに屋敷を出れば間に合うだろう。
朝の少し早い時間に出れば、前より遅い速度でも十分ランジ村へ行けるはずだ。
「それなら、俺とレオ、リーザは皆が出発した数日後に出発します」
「なんだ、一緒に行かないのか?」
「たまには、レオを全力……ではないですけど、速めに走らせてやりたいですからね。リーザがいるので、少し抑え気味にですけど」
「ワフー!」
「よしよし、嬉しいのはわかったから、牛乳を飲んですぐ顔を舐めるのはやめようなー?」
「ワウ?」
「パパやママと一緒ー!」
レオは人を乗せるのが好きだし、走るのが好きだからな。
俺やリーザが乗っていたら、危険なために全力は難しいだろうけど、ある程度速度を出して走らせてやりたい。
加減をする事はいつもと変わりないが、多少なりともストレス解消ができればと思う。
俺の話を聞いていたレオが、長距離を走れる事に喜んだのか、座っている俺に顔を寄せて舐めて来たので、顔を両手で捕まえて落ち着かせておいた。
……ティータイムだからと、牛乳を飲んですぐに舐められるのはちょっとな。
リーザがレオに乗って走れる事を喜んでいるのを見ながら、そっと差し出されたハンカチで顔を拭いておく。
ありがとうございます、ライラさん。
「そうか、レオ様は馬より速く走れるのだったな。確か、以前もランジ村へ行く時、村長たちから遅れて出発したと?」
「はい。リーザがいますし急ぐ事でもないので、以前ほどの速度は出しませんが、一日程度でランジ村に到着するはずです。それに、その数日を使って不足しないよう、薬草を作っておきたいですからね」
「ふむ、それもそうか。だがそれだと、到着は夜にならないか?」
「そうですね……まぁ、前回もそうでしたが、朝早くに出ても日が暮れてからだと思います」
「そうか……であれば、ランジ村の少し手前で、私達と合流しよう。そこで一晩待って、翌日明るい時間にランジ村に行くのが良いだろう」
「そうなんですか?」
「タクミ様、旦那様と行くのですから、当然村からの歓待を受ける事と思われます。連絡は明日のうちに向かわせますが、それでも夜に貴族がというのは村の方もやりにくいでしょう。明るいうちに話しをして、その間に準備を。そして夜に晩餐を……というのがよろしいかと思います」
「成る程……色々手順があるんですね。わかりました。それなら、ランジ村手前あたりで合流しましょう。明日あたりにでも、何処で合流するかを決めれば大丈夫だと思います」
「うむ、すまないがそれで頼む」
レオを走らせてランジ村へ行く事は承諾してもらったが、夜に到着予定というのは承諾しかねるようだった。
まぁ、貴族が夜に村を訪ねるというのも、少し外聞が悪いか……村の方でも大変だろうしな。
俺だけ先に……という事も考えられるけど、皆で一緒に行くというのだから、今回はそれでいいだろう。
特に急ぐ理由もないわけだし。
「タクミさん……あの……」
「ん、どうしたんだい、ティルラちゃん?」
俺やリーザを乗せたレオが、エッケンハルトさん達から遅れて出発する事が決まり、大体の予定が決まった。
と思っていたら、おずおずとティルラちゃんが俺に声をかけてきた。
どうしたんだろう?
「えっと……私がラーレに乗ってランジ村に行く、というのはできませんか? レオ様が見ていてくれれば、もしもの事があっても大丈夫だと思いますから……」
「え、んー……まぁ確かにレオがいれば、大丈夫だとは思うけど……」
「ワフ!」
ティルラちゃんから言われたのは、ラーレに乗っての移動。
森から屋敷へ移動する際もラーレに乗っていたから今回も、と考えたんだろう。
エッケンハルトさんやクレアさんにではなく、俺に聞いたのはもしもの時にレオを頼るためだと思う。
クレアさんはティルラちゃんの提案に少々驚いている様子で、エッケンハルトさんは最初に自分へ提案されなかった事で落ち込んでいるようだ……頑張れお父さん!
「本当か? まぁ、森から帰る時も聞いたし、大丈夫なんだろうと思うが……」
「ワフワフ!」
「わかった。ティルラちゃん、レオは大丈夫だって言ってるから、一緒に行くのはいいと思うよ。あとは……エッケンハルトさんが許可を出すかどうかだ」
「ありがとうございます、タクミさん、レオ様! ――お父様、どうですか!?」
「……私は、数日の旅であれ娘達と一緒にと思っていたのだが……それにしても、大丈夫なのか? 空を飛ぶ事もそうだが、レオ様の走る速度にラーレが合わせられるのかどうか……確かに、森から帰る時は馬より早かったが」
ティルラちゃんから期待の視線を受けて、レオが大丈夫と請け負うように自信満々に頷いた。
一緒に行く事を快諾して、後はティルラちゃんエッケンハルトさんが許可を出せばと促す。
元気よく父親にお願いするティルラちゃんにたいし、心配そうにするエッケンハルトさん。
まださっきの事を引きずっているのか、口先が少し尖って拗ねている雰囲気を出してはいたが、誰も気にしていない。
とりあえず、問題はラーレの飛ぶ速度とレオが走る速度が違い過ぎないか、という事のようだな。
「それに関しては、大丈夫だと思います。空を飛んでますから、何かに邪魔される事なく移動できるので、地上を移動するより早いはずですからね。多分、ラーレならレオと同じ速度で移動できると思いますよ? というかもしかしたら、レオより速いのかな……?」
「ワフ!? ワウワウ!」
「全力を出したら負けない? んー、まぁそうなのかも?」
「ワウー……」
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