【大感謝!520万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第343話 耳や尻尾の触り方を学びました
第343話 耳や尻尾の触り方を学びました
「ううん、全部嫌ってわけじゃないよ。うーんと……なんて言うんだろう……くすぐったいような……」
「ワフ、ワフワフ」
「うん、そう。ママの言う通り、敏感なんだよ」
「成る程なぁ。敏感だから、強く触ると痛いし、恐る恐る触ってもくすぐったい……って事か。……ん?」
頭を悩ませ、うんうん唸りながら考えて言葉を探していたリーザ。
それをフォローするように、レオが鳴くと、すぐに頷いてその言葉を肯定した。
肉球とかに近いのかな?
敏感だから、他の場所に触られるよりも、くすぐったかったり痛かったりするものなのかもしれないな。
そこまで考えて、少し違和感。
今、俺がレオの言葉を通訳しなくても、リーザは理解してた……?
「リーザ、話は変わるけど……もしかして、レオの言葉がわかるのか?」
「え、うん。わかるよ。パパも一緒でしょ?」
「いや、まぁそうなんだけどな……うーん……」
これは、もしかするとリーザが獣人である事の、一番の特徴かもしれない。
俺はずっとレオと一緒にいたから、仕草や声のトーンなんかで何が言いたいのか理解してる。
まぁ、理解し過ぎてる部分もあるような気はするが……。
クレアさんや他の人達は、ここしばらくレオと接していたおかげで、少しはわかる気がするらしいが、はっきりとはわからないらしい。
でもリーザは、はっきりとレオの言葉に頷いて、理解している様子だ。
耳が特殊なのかどうなのか、理由はわからないが、獣人だから……という事になるのだろう。
「だから、レオがママなのか……」
「うん。ママから話しかけてくれて、優しくて面白かったから!」
「ワフ? ワフゥ……」
リーザを助けた時、一度怯えた後、すぐにレオと打ち解けたのは知ってる。
子供だから、慣れるのが早いと思っていたが……レオとはっきり話せるからだったらしい。
しかし、レオが面白いって……あの時レオはなんて言ってたんだ? 俺はエッケンハルトさんと話してたから、聞いてなかったんだが。
レオの方は面白かったと言われて、ちょっと心外な様子。
リーザに怯えられないよう必死だったからな……俺から見てもあの時の様子は面白かった。
ともかく、これは明日にでもクレアさん達に伝えておこう。
獣人の事を、どれだけ知っているのかわからないが、この事を知っている様子はなかったしな。
「さて、話を戻すとして……リーザ、結局誰かに耳や尻尾を触られるのは、どうなんだ?」
「うーん……ここにいる人達なら、乱暴な事はしないだろうから、大丈夫……だと思う。うん、我慢する!」
「いや、我慢はしなくてもいいし、して欲しくないんだが……」
やっぱりリーザは、周囲の事をよく見ている。
それは獣人だからなのか、スラムで育ったからなのかはわからないが、この屋敷の人達はリーザを害する気はないと、感じ取ってるようだ。
とはいえさすがに、悪意がなかったとしても、リーザが我慢するような事はさせられない。
「そうだな……それじゃあ、まず俺が触ってみるから、嫌だったら嫌ってすぐ言ってくれ。リーザが嫌がる事をする気はないからな?」
「うん、パパだったら大丈夫。えっと……どうぞ?」
「うん、ありがとう。それじゃあ……」
「ワフワフ、ワフ!」
どういう風に触ればいいのか、どうしたらリーザが嫌がらないのかを探るため、試しに俺が、とリーザにお願いする。
すぐに頷いて、笑顔のまま俺に頭を差し出して来るリーザ。
まずは耳からか……ゆっくりとリーザの頭、そこにある耳へと手を伸ばすと、途中でレオが注意すように吠え始めた。
「レオ、指導してくれるのか?」
「ワフ!」
どうやらレオは、俺が触ってリーザが嫌な思いをしないように、触り方を指導してくれるみたいだ。
レオなら、耳や尻尾のある感覚を知ってるから、頼りになるな。
……もしかして、レオにも嫌な触られ方とかあるんだろうか?
「ワフ、ワフワウ」
「えーと、最初はゆっくりと、頭全体を撫でるように……と」
レオの指示により、ゆっくりとリーザの頭に右手を近付け、手のひらで小さな頭を包み込むようにしながら、ゆっくりと撫でる。
当然、頭から出ている耳にも、手が当たる事になる。
「おぉ……レオとはまた違った触り心地だな」
「ワフ? ワフワフ!」
「ははは、レオもレオで、撫でると気持ちいいから、安心しろ」
「ワフゥ。ワフ!? ワウ!」
「え!?」
「きゃはは! パパ、くすぐったいよ!」
「おっと、ごめんごめん」
レオとは違う心地で、リーザの耳も茶色の毛がフサフサで気持ちいい。
それを確かめるように触れていると、レオから少し拗ねたような声。
大丈夫だ、レオの方もちゃんと気持ちいいからな。
レオに笑ってフォローしていると、突然レオからそこは駄目! と強めの注意が来た。
リーザは笑っているが、かなりくすぐったかったんだろう、すぐに頬を膨らませて怒られる。
謝りながら、今自分が触れていた部分を確認すると、そこはリーザの耳の中だった。
さすがに、耳の外側は触れてもいいが、内側は駄目だったようだ。
人間でも、耳の内側はくすぐったかったり、触られたくない人もいるから、当然か。
特に獣人は、敏感なのかもしれないしな。
「ワフ! ワフワフ」
「わかった、気を付ける。えーと次は、耳の付け根か……」
「にゃふぅ……」
レオからもう一度注意を受け、今度は耳の付け根を揉み解すようにと指示を受ける。
両手でそれぞれの耳の付け根を、指先でゆっくり揉み解すようにすると、リーザが気持ち良さそうな声を上げた。
ふむ……耳を良く動かしてるから、人間で言う肩凝りみたいに、ここが凝ってしまったりするのかもしれないな。
「しかしリーザ、なんで出た声がそれなんだ?」
「そう言われても……気持ち良かったから。にゃふぅ……」
リーザに聞いても、気持ち良かったからとしか帰って来ない。
さらにまた同じように、溜め息を吐くような感じで声を息を漏らした。
むぅ……耳や尻尾の形から、リーザは狐かと思っていたんだが……猫なのか?
いやまぁ、多分特に意識してないだけで、猫ではない……と思う。
「ワフ、ワウワフ」
「わかった。次は尻尾だな」
耳を触る事に慣れて来たので、次は尻尾へと手を伸ばす。
リーザの尻尾は、狐の尻尾の例に漏れず、ふさふさで大きい。
多分……シェリーくらいの大きさなら、ここに埋もれる事もできるんじゃないかな?
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