【大感謝!530万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第37話 今日も美味しそうな朝食が出ました
第37話 今日も美味しそうな朝食が出ました
食堂に入ると、昨日の夜と同じ位置に座ったクレアさんとティルラちゃんが待っていた。
「おはようございます、タクミさん」
「クレアさん、おはようございます。セバスチャンさんもおはようございます」
「おはようございます、タクミ様。本日はクレアお嬢様のご機嫌が大変よろしゅうございますよ」
「そうなんですか?」
「もう、止めてセバスチャン。タクミさん、何でもありませんから。私はいつも通りですよ」
「はぁ」
セバスチャンさんは、クレアさんに言われて苦笑をしながら後ろに下がった。
ふむ……クレアさんは昨日までとあんまり変わらないように見えるけど……んー、でも確かに昨日より機嫌が良さそうに見えるな……何でだろう……。
と、考えた所でクレアさんの頭の部分に気付く。
昨日、俺がプレゼントした髪飾りを付けてくれている。
もしかして、それが嬉しくて機嫌が良いのかな?
俺が思い付きで買った(もちろんセバスチャンさんにお金を借りて買ったのは忘れてない)プレゼントだけど、クレアさんもティルラちゃんも身に着けてくれて喜んでいるようで良かったな。
「では、朝食を頂きましょう」
「はい」
「ワウ!」
今日の朝は昨日の朝と同じスープとサラダ、それとパンが二つ。
一つは焼かれた食パンが2枚重ねになっていて、その中にとろけてはみ出しそうなチーズと、ハムが挟んである。
もう一つは同じようなパンに目玉焼きが乗ってる。
ええと、確かこれってクロックムッシュとクロックマダムって名前のパン料理だったっけ。
でも比較的新しい料理で、中世くらいの年代の料理じゃなかったはずだ。
まぁ魔法とかギフトとかがある異世界だから、中世っぽい文化レベルとはいえ、全部が全部同じじゃないだろう。
「今日も美味しそうな料理ですね」
「はい。ヘレーナが昨日の夜褒められた事が嬉しくて早くから頑張ってたそうです」
「そうなんですか」
「チーズをこのようにするのが難しかったと言っておりました。クロック……というパン料理だそうでございます」
ヘレーナさんが朝から頑張ってくれたようだ。
このパンも見た目からもわかるが、きっと美味しいに違いない。
ふとクレアさんやティルラさんの方に置いてあるお皿を見ると、俺のクロックよりも厚みが無い。
二人のクロックは少し厚めのパンを真ん中から切れ込みを入れて、その中に具材を入れてるようだ。
多分、食べる人の量に合わせて作ったんだろう、ほんとに手間がかかってるな。
ちなみにレオの方を見ると、そちらには大きめのクロックが置いてあり、スライスして薄く切ったソーセージがたっぷり入ってた。
……わざわざありがとうございます、ヘレーナさん。
「ワフ!」
待ちきれない様子だったレオがいの一番でクロックに齧り付く。
目玉焼きの乗ってない方、クロックムッシュのほうはカリッとした食感で、中からチーズが溢れて来る。
濃厚なソースが口の中に広がって幸せな気分だ。
やっぱり人間って、美味しい物を食べると幸せになるよな。
「美味しいですね、レオ様!」
「ワフ!」
ティルラちゃんが笑顔で言い、そのレオも尻尾をブンブン振りながら答えてる。
クレアさんも美味しそうに食べてる……やっぱり美味しい物は幸せになるよな。
朝から結構な量があったのも全部食べ切った。
ライラさん達にお茶を淹れてもらい、食後の休憩。
「ワフワフ」
「レオ様くすぐったいですよー」
俺の座ってる椅子の横では、レオがティルラちゃんとじゃれ合ってる。
レオ、牛乳を飲んだ後にティルラちゃんの顔を舐めたりしないように気を付けるんだぞ。
「フフフ、ティルラもすっかりレオ様に懐きましたね」
「そうですね。レオは子供が好きですから、ティルラちゃんと遊べて嬉しそうですよ」
「フフフ」
俺とクレアさんはじゃれ合うレオとティルラちゃんを眺めて笑い合う。
あ、そうだ。
昨日の夜寝る前に考えてた事を思い出した。
「そういえば、クレアさん」
「はい、なんでしょう?」
「裏庭を少しだけ貸してもらえませんか?」
「裏庭ですか。今日もレオ様と遊ぶのですか?」
「いえ、昨日調べてわかった俺のギフトの事で、試したい事があるんです」
「試したい事……どんな事かお聞きしても?」
クレアさんは、俺が何を試すのか興味があるようだ。
「ええ。俺の『雑草栽培』ですが、どんな植物を栽培出来るのか調べてみたいんです。何か有用な植物が出来れば良いんですけどね」
「成る程。それでしたら構いません。裏庭は昨日レオ様とティルラが遊んだ時くらいしか使っていませんでしたからね」
「ありがとうございます。……それと、セバスチャンさん」
無事、クレアさんから許可が出たので、セバスチャンさんにも声を掛けた。
「はい、私に何か御用でしょうか?」
「えっと……薬草の見本や、詳細が載ってる本ってありますか?」
「薬草ですか……そうですね……見本となる物はございませんが、学ぶための書物なら保管してあります。当家には現在薬師はおりませんが、何かがあった時のために知識を得られるようにしておりますので」
「それで私も、ティルラの病がラモギで治ると知ったのですよ」
「そうですか。その本を見せてもらえますか? 『雑草栽培』を使う時の参考にしたいので」
「わかりました」
そう言ってセバスチャンさんはゲルダさんに声を掛け、薬草の本を持って来るように言って取りに行ってもらった。
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