ある本の話
今日は私が昔持っていたある本の話をしようと思う。
昔、私はある本を持っていた。
その本は真っ白な本。
何も書いていない本だ。
私の家の物置に眠ってたにしては、ずいぶんと綺麗だった。
埃もかぶっていなかった。まるで、私が見つけたその日に置いてあったかのような状態で。
私はこの本を自分の部屋にもっていき、色々調べた。
厚さは確か2㎝くらいで、縦20㎝、横15㎝でシャーペン位の重さだった。
不思議な本だった、この本は外部からの影響では一切汚れなかった。
何故、どうやって汚れたのかは知らないが、その本は自分が傷つけば傷つく程に汚れていった。
私が友達と喧嘩した日の夜は必ず仲直りした夢を見れた、しかも、その夢の通りに喧嘩したことを謝れば、仲直りできたのだ。
昔の自分はそんな事気づかずに、仲直りできてよかったと思っているだけなのだが。
何も気づかないまま、私は本を無くしてしまった。
私が高校に上がったぐらいの時に引っ越しがあった。
その時に私の部屋を無論掃除するのだが、その時にボロボロになった本を見つけた。
黒く汚れて、擦り切れていた。
私はその本と見た時に、私が忘れたとしても守ってくれてたんだなと心の底から感謝した。
私はその本をぱらぱらと開いた。
すると、一番最後のページにだけ何か書いてあった。
汚れていたために少し読むのに時間がかかったが、何とか読めて安心した。
最後のページ書かれていたのは、「ぼくはうまくまもれましたか?」だった。
私はその言葉を噛みしめ、「あぁ、よくできてたよ。」って答えた。
すると本に書いてあった言葉は変化した。
私は少し時間をかけて読んだ。
「ぼくはつかれました、さいごにやいてさよならしてください。」と書いてあった。
・・・、私はその本が望むとおりに焼いてあげた。
本が見つかった物置小屋の前で、焼いた。
最後に残った灰を風に乗せた。
私はただ、その本が私を守ってくれたことにずっと感謝している。
平穏な学校生活を送れたのはあの白い本のおかげだろう。
怖がりの友達を怖がらせたいから、怖い話の練習します。 暗闇研究所 @densibuhin
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