第6話『E-XK型Ver』

俺と健也は取り敢えず異世界部に入ることを契約した。

そして


「やったああああああああああああああ!!」

「いえええええええええええええええええええい!!」


と加奈さんと加代さんは喜んでいた。

だが


「え、うちの異世界部1に入るんだよね?」

「え、うちの異世界部2に入るんだよね?」


と聞いてきた。

俺は


「取り敢えず2人のお父さんに聞いたら二つの部活に入ってってことになってさあ、俺も取り敢えずそれでOKはしたんだけど日の交代で二つの部活に行くってことにしたいんだが?」


と聞いた。

すると


「えええ! 毎日会いたいよおお!!」

「そうだよおおおお! 私! 君みたいな異世界に行きそうなラノベ主人公っぽい普通の男の子に会って本当に気になってるんだから!!」


と言った。

俺は


「あのさあ……俺の体は1つしかないんだからさあ……そこは納得して欲しいんだけど?」


と言った。

すると


「「えええ!! でもおお!!」」


とそこだけ2人はタイミングよく文句を言う。

すると健也は


「だったら合併したら?」


と言った。

2人は


「「それはダメ!」」


と即否定した。

健也は


「何で? 良いじゃん、だってさ? どちらかがいつの間にかこいつを異世界に連れて行ったらさどちらかは明日逢えると思って分かんないままで待つことになるぞ? それに自分のライバルに異世界に行けるようになったって言うわけじゃないから知る由もない状態だ、もし知らないで異世界行ってたらさすがに2人はショック受けると思うんだが?」


と交渉した。

すると2人は


「確かに、久内君をいつの間にか異世界に連れていかれてたらそれは私自身も嫌だし……魔術にいつの間にか負けているっていうのも嫌だし……」

「それは私も同じかな……確かにこの際合併した方がいいのかもしれないかも……そうすれば相手が今どこの段階まで来たか分かるし……」


と互いにとって都合がいいことと思い始めたそうだ。

そして、


「分かったよ」

「合併して一つの部活に所属ってことで……久内君もそれでいい?」


と聞いてきたので


「ああ、良いぞ」


と言って健也の案に乗った。

正直二つに所属して日によって交代でなんて面倒なことをしているといつか間違えてどちらから攻められることだろう。

それは俺的にも困る話である。

しかも自分の責任なので何も言い訳できないのはつらい

そして


「じゃあ今日から!」

「異世界部1・2は!」

「「異世界部へと合併します!」」


と二つの部活が一つになった。

正直同じ部活を二つも置いてくれた教師は本当に優しいんだと思った。


「まあ、良かったやん、ともかく明日から活動開始なんやろ? 今のうちに青春せいよ」


と言ってTXO型-12はこちらを見ていた。


「じゃあお前らもう帰れよ、もう19時屋で」


と言って外を見ると真っ暗だった。


「うわ! マジかよ! 俺は隣だからいいけど」

「俺はもう電車がでは間に合わんな……」


と健也は頭を抱えていた。

するとRT・ゼンさんは


「ではお車を出しますが?」


と言った。

それを聞いて健也は


「マジかよ! 高級車かな!!」

「大丈夫?」

「真っ暗だけど?」


と言って加奈さんと加代さんはRT・ゼンさんを心配した。

すると


「大丈夫ですよ、私のワゴンTが火を噴きますから」


と言った。

それを聞いて


「……高級車じゃないようだぞ……」

「火を噴くって……大丈夫ですよね?」


と健也は心配そうに見た。

そして


「本当にワゴンTだ……自分の車ですか?」

「はい! 初給料で買いました!」


と言って嬉しそうにしている。

加奈さんと加代さんは


「頑張ってね」

「気をしっかり持ってね」


と不安になることを言ってくる。


「なあ! 大丈夫だよな! 大丈夫だよな!!」


と健也はRT・ゼンさんに聞いた。

RT・ゼンさんは


「大丈夫ですよ、ヤンチャだった高校の暴走族時代はありましたが技術は確かですから」

「それ一番ヤバい奴!!」


と言って逃げようとするが


「逃がしません!」


と捕まれてそのまま健也はRT・ゼンさんい連れて行かれてしまった。

そして


ブロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


とエンジン音が響き


『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』


と健也の悲鳴と共に車は急発進した。


「……」

「まあ……運転技術に関しては確かだよ」

「うん……怖いけどそれは確か……」


と加奈さんと加代さんは見守るように言った。


「頑張れ……」


俺は健也の無事を祈って家路についた。

そして


「お帰り」

「ただいま」


と言って母さんがピザを取って食べていた。

俺は


「料理する時間なかったの?」


と聞くと


「食べたくなった」


と言った。

正直気持ちは分からなくないとも思った。

確かにこういう物は無性に食べたくなる事はある。

すると


「ただいまあ、おお! ピザか! いいね! 働いたら腹ペコだよ!」


と白々しく父さんも帰ってきた。

それは働いたという言葉に


「窓際族が何を言ってるんだ……」


と呆れたように言うと


「あら? 気づかれたの? 全くあなたって人は……」


と母さんが父さんに呆れた。

俺は


「母さんは知ってたの?」


と聞くと


「この人よ」


と言って俺は


「ああ……」


と納得してしまった。

すると父さんは


「それより聞いてくれ母さん! こいつ隣のお嬢様と婚約したんだぜ!」

「へえ、どうせあなたが関わってるんでしょ? まあ本人が良いなら私も文句は言わないけど……嫌なら嫌って言いなさいよ、私も一緒に謝るから」


と言って母さんは心配そうに言ってくれた。

俺は


「ありがとう……まあ同じ学校だしもう少し関わってから考えるよ」


と言った。

そして、ピザを食べて俺は学校に備えて寝た。


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そして、次の日俺は学校に向かった。

すると


「よ! 昨日はどうだった!」


と清吾が話しかけてきた。


「ああ、まあうん、異世界部には入ることにしたよ」

「へえ、頑張れよ、俺も炎上ユーゲーバーとして頑張るぜ!」


とドヤ顔で言った。

俺は


「なあ、お前の家族は何も言わないのかよ、炎上ユーゲーバーって結構ヤバいって聞くぞ? 住所と名前を貼ってるとかなり酷いことになるって聞いたことあるし」


と俺はなんとなく聞くと清吾は


「ああ、それなら大丈夫だ、俺親に捨てられてるし、施設で育ったから」


と言った。


「えっと……ごめん」


と俺は気まずくなって謝った。

すると


「おいおい、止めてくれよ、同情されるの嫌なんだよねえ」


と言った。

すると


「おお……そうか、まあ炎上の巻沿い喰らって迷惑喰らってるからもっと同情してやるよ!! 嫌ああ可哀そうだなあ!!」


と言ってやった。

清吾は


「おお……普通に鬱陶しい」


と言って笑っていた。

そしてそのまま学校に向かい教室に入ると


「はあああああ、生きてる……生きている……」


と健也は机にうつ伏せになってぼやいていた。

俺は


「大丈夫か……昨日……」


と気になり声を掛けると


「ああ……時速って……200キロ超えるんだな……ワゴンT舐めてた」

「200!!」


完全に法定速度を破っている……RT・ゼンさんはそれでよく事故を起こさないなと思った。

だが俺は


「そっそんな速度だと警察が黙っていないんじゃ……」


と聞くと健也は


「ハハハ……」


と乾いた笑いをして


「カーチェイスって知ってる……」

「……」

「3台がお陀仏だ」


マジかよ……

という思いしか出なかった。

そして


「おはよう……RT・ゼンがごめんね」


と加代さんが声を掛けて来た。

健也は


「もう二度と乗りたくない」


と言って真っ青な顔をチラリと見せる。

すると


「何や、情けないなあ……こいつも姉貴もいつも乗ってんねんぞ!」


と声がした。

加代さんは


「シイ! TXO型-12! 静かに」

「いやもう聞こえてるんだけど……」


と鞄からひょっこりとTXO型-12が現れた。

俺は


「まだ帰ってないのかよ……上司におべっかはいいんですか?」


と聞くと


「バカか!! 浦島効果を知らんのか! ワイのいる天界と下界如きが一緒の時間になってると思うなよ!」


と言われた。

俺は


「それはもはや宇宙の話では!」


と言うと


「何やねん!! なら浦島太郎はカメに背中に乗って宇宙旅行したって言うんか!!」

「いや違うけど」

「全く!! 確かにそう言った人がいることが分かってるならともかく! 浅知識で語りやがって!! ガキが! そもそも浦島効果は別に宇宙だけじゃないんやぞボケ! ワイのいる場所は重力が弱い天界やぞ!! 重力の強い下界と同じにするなよ!!」


と文句を言われた。

俺は科学が何か分からないので正直こんがらがった。

TXO型-12は


「チ、まあええわ、とにかくあと3年は居るから! 向こうでは経った3秒やけどよろしくな!」


と言って俺の手を噛んだ。


「うわああ!!」

「何やねん!! 握手やろうが!」


とキレてくる。

すると


「何何! その生き物! きゃわいいいい!!」


と矢田さんが割って入ってきた。


「TXO型-12!! バレたじゃない!」

「ごめんごめん!」


とTXO型-12は謝る。

俺は


「先生にばれなければ大丈夫じゃね?」


と言った。

すると女子たちも男子たちもTXO型-12を見に来た。

TXO型-12は


「やれやれ、人気もんはつらいな」


と言って少し嬉しそうに見えた。

矢田さんは


「うわあああ!! 何この子おおお!! きゃわああああ!」

「きゃわだな……」


と男子にも何故か評判だった

俺と健也と清吾は


「何であれ人気なの?」

「内のクラス意外と変わったもの好きなのか……」

「変わり者だらけだからか!」


と言ってその状態を異様に思っていた。

そして


「ええええ!! すごおおおおい!! 昔から人間を見てたのおおお!! 神様ああああ!! すごおおおおい!!」


と言って女子が盛り上がる。

TXO型-12は


「まあな」


と言って照れている。

俺は


「もう少しで先生来るから隠れた方がいいんじゃ?」


と聞いた。

TXO型-12は


「そやな、少し喋り過ぎた、レディたち、ボーイたち! 席戻れよ!」


と言った


「はああい!」

「了解です!」

「承知!」


と言って皆席に戻る。

そして、先生がやってきた。

そして


「授業始めるぞおお!」


と言ってそのまま授業が始まる。

そして、昼休みになり


「久内君! 一緒に食べよう!」

「ああ……うん」

「俺も行くぞ」


と健也も言った。

加代さんは


「そうだね! 行こう!」


と言って3人は屋上へと行った。

屋上に行くとそこには


「遅いよ」

「仕方ないよ、お姉ちゃんの教室からの方が屋上に近いもん」


と言った。

そして4人は取り敢えず弁当を食べようとすると


「ワイも食べるぞ」


と言って鞄からTXO型-12が出てきた。


「TXO型-12、私達の弁当食べよう」


と言って加奈さんが鞄から


「重箱だよ」


と言ってお弁当を出す。

中には大量のご飯とおかずが入っている。


「……食べれるの?」


と俺は聞くと


「まあ、TXO型-12はかなりの食欲だからね……むしろこれぐらいないと私たちの分が無い」


と言ってTXO型-12が貪るようにすでにぐしゃぐしゃ食べていた。


「うわああ」

「やばいなあこの食べ方」

「しゃあガツガツにゃいやろ! こんなフォルムやし!」 ムシャムシャ!」


と必死に食べていた。

俺は


「まあ俺も食べるか」


と言って弁当を開けると


『美味しかったぞ、父より』


と書かれていた。


「殺したい」


と思った。

すると


「私達のお弁当少し食べる?」


と聞いて嬉しくなり見ると


「うん食べろよ! 遠慮はいらへんで!」


と言って結構汚い感じで重箱の弁当が残っていた。


「TXO型-12、お前もうちょっと綺麗に食べろよ、まあ食べるけど」


と言って我慢して食べることにした。

そして、ご飯を食べながら話をすることになった。


「で、異世界の行き方は転生ではなく転移もしくわ召喚でいいんだよな?」


と聞いた。

もしこれでまた転生ならば俺はバイト代を貰っても命が大事なのですぐに契約を破棄する。ちなみにそのことは伊勢さんの契約書にも書いているかを確認済みだ。

父さんは読まずに名前を書けと言うがだからこそ読んだ。

あの野郎の言う通りにはしたくなかった。

そして


「そうだね、転移系か召喚系かな?」


と加代さんが言って


「私もそれが一番いいと思う、でも科学的に行くと言ったらやっぱり転移かな?」


と加奈さんは言った。

加代さんは


「ふーん科学って不便だね? 召喚が出来ないんだあ!」


と煽った。

だが加奈さんは


「な! だが別世界線の人とコンタクトを取れれば召喚系だって!」


と言って強がっていた。

加代さんは


「なあにいい! 強がってるのおお! お姉ちゃああん!」


と滅茶苦茶煽りだした。


「ううううう!!」


と真っ赤になりながら話が進んでいないにもかかわらず双子は言い争う。

俺は


「なあ、TXO型-12は何かいい案ないか?」


と聞いた。

するとTXO型-12は


「そうだな、転移系にするならば科学的にも魔術的にも叶いそうなものが一つあるぞ」


と言った。

俺は


「へえ、それって何?」


と聞くと


「E-XK型Verや!」


とTXO型-12は言った。

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