第3話『諦めない2人』
俺の名前は
ある日心無い兄と姉に追い出されたニートの俺はイライラしながら街を歩いている学校の門のところに緑色の団子の様な物が!
朝から何も食べていなかったために何でもいいから食べてみたら俺は死んでしまった!
すると目の前には何と神様!
俺がいじめが原因で落ちぶれたことを哀れに思い魔法チート能力を貰って異世界へと転生!!
次こそ俺は誰にも負けない男となるべく、魔法チート能力を生かしてトップに立とうと奮闘する!
そんな俺を応援する婚約者レイシャーに幼馴染で何かと面倒を見てくるマイル!
そして一番の親友のベクエル!
そんな奴等と共に魔法学園を謳歌していると悪の軍団ラグ教団が信仰の為と学園を狙う!
そんなことはさせねえ! 絶対にこの学園と仲間たちは俺が守って見せる!
ニートの俺がお腹を空かせて異様な緑の団子を食べたら死んでしまい、神から魔法チートを貰って異世界でトップを目指す!! 第一巻発売中! コミカライズもよろしくな!
俺Tueeでチートな俺と仲間たちの活躍見てくれよな!
何と何と何とおおお! アニメ化決定!
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「はああ!!」
俺は異様な夢に目が覚めた。
一体なんだったんだ、あの頭の悪そうな夢は……てか一巻発売されただけでコミカライズって、アニメ化って……絶対ストック足りないだろ!
と考えながら俺は一応スマホで調べようとしたが
「スマホが無い……」
自分のスマホが無くなっていた。
俺はすぐに
「父さん!! 俺のスマホは!」
と聞くと
「え? 解約したけど?」
と当然のように言われた。
「何やってくれてんだ!! これじゃ友人とも連絡取れねえじゃねえか!」
とキレたが父さんは
「誰のお金で連絡取ろうとしてんだ……お前も高校生なら少しは自立しなさい」
とまだ高校生のガキにとんでもないことを言った。
母さんは
「あなたがスマホを解約すればいいのにまず子供からなのね……」
と呆れながら言っていた。
父さんは
「母さん、俺は仕事で必要だから」
とまあ正論を言った。
それを聞いて俺は
「そういえば父さん昨日は帰り遅かったけど仕事はどうだったんだ?」
と聞いた。
すると父さんは
「まずは自分の学校生活を教えなさい」
と言ってきた。
なんか本当にうんざりしながら俺は
「えっとな……まあ普通だったよ、喋れるやつはいるぐらいには……」
と呆れながら答えた。
父さんは
「そうか、それは良かったな、玉の輿がいたら手を出すんだぞ、俺には迷惑を掛けない程度にな」
と鬱陶しいことを言ってくる。
イライラしながらも
「で? 父さんんはどうだったんだ?」
と聞いた。
すると
「まあ失敗をして左遷したとはいえその部署の課長の座が開いているということで今はそこに居座っている、減給はあったが俺の贅沢代には咀嚼はない、お前が自分で学費を稼げばもっと楽になるんだがな」
とやたら俺に対して当たりが強い
ムカつくと思いながらも無視して食事を取る。
朝ご飯と食べてながら父さんはスマホゲームをしていた。
「父さん……ゲームしてていいのかよ……遅刻するぞ」
と促すが
「俺は重役出勤だからいいんだよ」
と言った。
俺は父さんがいったい会社でどんな状態化は知らない……てか話そうとしない……
その為、俺はたまに出るこの発言で俺は父さんを誇ることが出来ないのが正直な気持ちである。
その為、俺はすぐさま朝食を済ませて
「行ってきます」
と言ってそのまま鞄を持って家を出ようとした。
すると
「ちょっと、久内」
と母さんが声を掛けて来た。
「何?」
と聞くと
「これ、母さんのスマホを使いなさい……どうせあんまり使ってないし」
と言って渡してきた。
俺はさすがに申し訳なくて
「本当に良いのか?」
と確認をすると
「良いわよ、あんたの方がスマホ必要でしょうし、あんな男だから自分の事しか考えてないしね、携帯代ぐらいは私がパートで稼いであげるわ」
と言って画面バリバリに割れているスマホを貰った。
「……ありがとう母さん」
とお礼を言った。
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通学路で俺は先程見た夢のタイトルを打ち込んだがそんな小説はなかった。
やはり夢でしかなかったのか……
と考えながら歩いて行った。
すると
「よう!!」
と昨日見捨てて来た清吾が肩を叩いてきた。
俺は
「ンだよ……」
と不機嫌そうに言った。
清吾は全く反省がないのか
「テレビ見たか!! 面白いニュースがあったぞ!」
と言って笑っていた。
俺は
「いや、引っ越してきたばかりだからまだ無いってか、これからも無いと思う……」
と諦め半分で言った。
清吾は
「マジかよー、それは大変だなあ」
と言って苦笑いをしていた。
だが俺は
「まあ気になるから見るけど……てかお前俺を炎上動画の餌にした事許してねえからな」
「まあまあ、落ち着いて」
と反省をしない清吾にイライラしながらもスマホのワンセグ機能があったので使った。
すると
『昨日……ブフウウウウ!! クックックウウ……やべえ……』
『笑い過ぎですよ……フフフ……失礼でしょ……』
となぜかアナウンサーが笑っていた。
俺はさすがに不審にも思ったが
『昨日夕方無職の童山 貞二さんがンフフフ……地面に……フウウウハアアアア……落ちている妙な団子を食べて体中が緑色に変色して無くなっているのが見つかりました』
「!!!」
俺はさすがにそのニュースのことを聞いて青ざめた。
夢で聞いた名前である。
そして、ニュースは続いた。
『落ちていた場所は人西高校の校門前だったの事……ブフウウ!! 普通……ハハハハ! 食うかよ地面に落ちてたもの……ブウウウウウ!!』
と吹いていた。
俺はそれを聞いてさらに真っ青になった。
え……人西高校の校門前に落ちた緑の団子? え……それって……俺が投げたあの緑の団子じゃないのか……
と恐怖に打ち震えた。
すると
「ドーーーーーーーーーーーーモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ! 炎上ユーゲーバーの神谷清吾でえええええええええええええええす! 今おそらくその団子を捨てた友達を利用して生放送中でえええええええええええええええええええええす!」
と清吾はスマホを片手に笑っていた。
まさかこいつそれだけのために俺にテレビを見るように促したのかよ……
と嵌められたことに恐怖した。
そしてその生放送らしき動画を急いであげるとどうやら自分の顔はモザイクを掛けているようだった。
生放送なのにどうやってと思ってはいるが結局場所でしかもこんなに大声で言っていたら俺自身の実が危ないんじゃ!
と思って周りを見渡すが誰もいなかった。
俺はそれを確認して再び動画のコメント欄を見た。
すると
『よくやったぞ! 勇者よ!』
『ゴミを一つ片付けたんだな! 素晴らしい!』
『アナウンサーも笑うわな……そんな惨めな死に方wwww』
『絶対になりたくない死に方ランキングナンバーワン』
『こいつ友達売るの好きだな……呆れるわ』
とコメントだけだった。
誰かが来るかもと思って取り合えず
「じゃあな清吾!」
と言ってすぐさまその場から離れた。
清吾は
「おお! 頑張れよ!」
と言っていた。
糞うが! 誰のせいだと思ってんだ!
と心の中で呟きながら逃げることに集中した。
そして、学校の門に急いで入っていった。
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「ハアア……着いた……」
俺は疲れたように廊下を歩いていた。
すると
「やあ、久内君、おはよう」
と聞き覚えのある声……
「……伊勢加代さん……おはよう……」
と俺はビクッとしながら言った。
が唐突に朝のニュースが頭に過り
「おま! お前!! お前の団子で1人の人間の命が終わったんだぞ!」
と怒鳴った。
すると加代さんはポカンとして
「朝のニュースは見たけど私は校門前にそんなもの置いてなよ?」
と言った。
それを聞いて俺は
「嫌だからお前が俺に無理やり食わそうとした団子だよ! 俺が投げたのも原因だけどそもそもお前があんな物を作らなければこんなことには!」
と言ったが
「は? あんなところから校門に届くわけないでしょ? あの場所から校門までは結構距離あるよ、それにそれはもう拾ってるね」
と言って泥だらけの団子を見せた。
「それって……」
「あなたが拒んだ団子だけど?」
とキョトンとしながら言った。
俺は
「じゃあ……死んだ人が食べた団子は?」
と聞くと
「え? 知らない」
と言った。
それはそれを聞いて一安心した。
「何だよ……それじゃあ俺何にも関係ないじゃねえか……ごめんな加代さん……疑ったりして……」
と言ってさすがに申し訳なかったので謝った。
加代さんは
「申し訳ないならこの団子を」
「それは御免こうむる」
と団子を透かさず食べさせようとするので再び拒んだ。
すると加代さんは
「分かったよ、仕方ないなあ」
「いや、仕方ないって……」
と俺はどんよりしながら加代さんを見た。
すると加代さんは
「じゃあ今度は転生じゃなくて転移の方法を調べることにするよ、魔術で召喚が出来るならこちらから向こう側へと送ることも出来るかもしれないし」
と言って一先ずは死ぬ恐れはないかもしれないと安心する俺であった。
そして、昨日の加奈さんが言っていたことと自分が感じたことを思い出した。
妹さんとお姉さんはベクトルが違えど、結局同じ結果を望む双子なんだと思った。
なんだか別の世界線から来た同じ人みたいな感覚に襲われた。
すると加代さんは
「じゃあ、私は先に教室に入ってるね!」
と言ってそのまま先に行ってしまった。
すると
「はーい! 皆さん! これがどうやら真実のみたいですねえ!」
と言って後ろから清吾の声がした。
俺は清吾を睨んで
「あのさあ……俺を炎上ユーゲーバーの動画に上げるのやめてくれないか?」
と言った。
清吾は
「ちゃんと顔を隠してるからいいだろ?」
と意味の分からないことを言い出す。
俺は
「それでも俺を巻き込むのは止めてくれよ」
と言ったら
「しゃあねえなあ……気が向いたらな」
「それは断っている人間に対して向ける言葉ではない」
と明らかに反省の色が見当たらなかった。
すると
「またやってるのか? 清吾……懲りないなあ」
と後ろから健也が話しかけてきた。
俺は健也を見るなり
「もしかしたら二次今野お前が一番真面なのかもなあ」
と俺は口に出して言った。
すると
「男同士の恋愛なら俺も交ぜろよ」
と言ってホモグループのリーダー格の奴がなんか話してきた。
俺と健也は
「「それはない」」
と言ってすぐさま否定すると
「全く……ツンデレは面倒臭いだけでモテないぞ?」
と言って自分のグループと話しだす。
俺は健也に
「そう言えばあいつって名前なんなんだ? 昨日は聞いてないから知らんのだが?」
と健也に聞くと
「あいつは男色(だんしょく) 掘(ほる)だ」
と言って俺は
「いかにもそのために生まれたような存在だな……」
と残念そうに言った。
そして、その日普通に授業を受けて普通に昼食時間となった。
「健也、一緒に食おうぜ」
「おお、良いがレイミーちゃんもいいか?」
と言って抱き枕を準備した。
俺は
「ああ、そうだな……いいぞ」
と言って普通に許可した。
炎上ユーゲーバーの清吾とかと一緒に食うとどんな目にあるかが分からないから
すると
「来栖お前もどうだ?」
と健也が言うと
「俺は今から商品を取りに行くから」
と言って女子の後を付けて行った。
俺は犯罪臭がしたがあまり気にしないようにした。
そして、俺は気にしないで昼食を終え再び授業が始まる。
そして、放課後
「久内君! 一緒に帰ろう!」
「え……嫌かな」
俺は加代さんの誘いを断った。
加代さんは
「大丈夫! 大丈夫だって! 今回は!」
「今回も何も昨日が初めてだろ」
「初めて!」
「健也、勘違いをするな」
真っ赤になる健也に俺は訂正をした。
だが
「ちょっと! それは聞き捨てならないわね!」
と言って1人の女子がしゃしゃり出て来た。
「えっと……矢田さん?」
矢田さんは俺を睨み
「加代ちゃんの初めては私が貰う予定だったのに! どういうことよ!」
「いや、だから勘違いをするな!」
「男がツンデレをするな!」「してねえよ!」
もう何が何だが分かんない状態になった。
矢田さんは
「私はね! 加代さんの艶めかしい肌をたまらなく欲してるの! いつも体育の着替えの時に見てるだけじゃ耐えられないの!」
「うわー」
俺はドン引きした。
健也は
「百合はやっぱり二次元に限るな……リアルだとなんかやばくキモイ」
と言ってゲンナリしている。
清吾は
「俺は大好物だけどなあ」
と言って笑っている。
すると来栖は
「それでこんなパンツを……怪しからん、毎日が勝負パンツ何て!」
と紐パンをぶんぶん回していた。
矢田は
「いやあああああああああああああああああ!! 変態いいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
と青ざめながら悲鳴を上げ震えだした。
すると来栖は
「まあまあ、返すよ」
と言って紐パンを返そうとして
「いらないわよ!!」
と言ってその手を筆箱で叩きパンツがゴミ箱へと飛んで行った。
「ナイシュー」
「うるさい!」
と矢田はキレる。
そして
「矢田さん、久内君が言ってることは本当、私は別にエロ的なことはしていないよ?」
というと矢田さんは
「まあ、加代ちゃんが言うなら」
と言って少し怒りを鎮めてくれた。
そして
「でも本当に嫌がってるのに手を出したらただじゃおかないからね! 皆行きましょ!」
と言ってクラスの女子(妹たち)を連れて行った。
来栖は
「もう、大げさだな」
と言ったが俺は
「いや、あれは正常だぞ」
とさすがに引きながらツッコんだ。
そして、
「ごめんね、昨日は、今度は大丈夫だから」
と言って結局加代さんと帰ることになった。
隣に健也がいることが唯一の救いであった。
健也は
「昨日何かあったのか? てか伊勢妹と話すのって初めてだよな」
と言って健也は昨日のことを聞いてきた。
俺は
「異世界に転生させられそうになった」
と言った。
それを聞いて健也は
「それ、俺も協力していいか?」
となんか乗り気になってしまった。
加代さんは
「うーんまあ、冒険には仲間が必要だし、クラス全員が転移したり転生したりは良くあるしねえ」
と言ってその言葉に賛同していた。
俺は健也が二次コンであることを利用して
「良いのかよ? 二次元が好きだから行きたいのかもしれないが異世界に行ったら二次元だった奴らは全員三次元だぞ?」
と聞くと健也は
「俺はね、本来三次元だろうが二次元だろうが好きになるのは別にどっちでもいいんだ」
と言った。
俺は
「そうなのか?」
と聞くと健也は
「俺の求める理想を三次元は持ち合わせていない……だが二次元は持っていた、だから俺は二次元好きになったんだ」
と言い切っていた。
俺は
「ふーん、そうか……」
と言って健也が求める理想などんなものか気になった。
そして、加代さんは
「あ、ちょっとあの緑団子もう使わないだろうしちょっと処分してきていい? どうせ時間が経つと使い物にならなくなるし臭いも学校に漂わせるわけにもいかないし!」
と言ったので
「分かったよ」
と言って俺と健也は待つことにした。
そして加代さんは部室らしき部屋に入って行った。
「異世界研究部って……認められてるのか……」
「そういえば矢田さんが妹たちを使って席だけは置いてるそうだぞ? どんな部活川知らなかったが」
と部活があることに俺は少し驚いていた。
そこまでして異世界に行きたい理由って何だ。
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「さーて、緑の団子はここに……? あれ? もう一個なかった? 一つ減ってるような? さては最近ここに侵入するネコが食べたな……」
と加代は団子を入れていた箱を鞄に入れた。
すると
「なーう」
と窓際に猫がいた。
加代は
「おー生きてたってことは失敗か……残念」
と言って窓際に近づいた。
そして
「なるほどねーここから校門が近いのかあ……まさか君が昨日のニートを……」
と考えて猫の口元を見ると緑の団子の部分が着いていた。
(うーん、これは食べた後に着いたのかな? まあいいか)
と思い教室を後にした。
すると猫は口から少し緑の物を吐き出した。
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「やあ、昨日は興奮してちゃんと話せなかったね」
と言って加奈さんが俺に話しかけてきた。
「ああ……うんそうね」
俺は少し目線を逸らした。
健也は
「へええ、姉ともコンタクト取ったのか、ラノベ主人公みたいな奴だなお前」
と言ったせいで加奈さんは
「そう!! そうなんだよ!! それこそが異世界に行きそうなタイプだと思わない!!」
と健也に同意を求めて来た。
健也は
「? まあ確かにそうかもな」
とキョトンとしながら言った。
それを聞いたせいか健也は俺に
「なあ、もしかして双子の姉の方もあいつと同じもの目指してるのか?」
と聞いてきたので
「ああ、そうなんだよ……しかも二人とも俺を狙ってるから困ってるんだ」
とうんザイしたように俺は言った。
健也は
「まあ、いいじゃねえか、ラノベの主人公みたいな青春なんてなかなか過ごせないし高校生までだと思えばいい経験になるんじゃねえか?」
と言って羨ましそうに言った。
俺は
「普通の恋愛をしたいんだが俺は……」
と言って俯いた。
加奈さんは
「ねえ、今から私の部室に来ない?」
「アンタも異世界部でも作ってるのか?」
とその言葉に俺は脊髄反射的に言った。
加奈さんは
「良く知ってるね、もしかして加代に聞いた? あいつの部室は2で私の部室が1何だよねえ」
と言って案内をしようとした。
俺は
「いえ! 遠慮します!」
と言って拒んだが健也は
「俺は行ってみたいなあ」
と言って少し興味を持っていた。
加奈さんは
「うーん、まあ人数が多い方がいいかな?」
と言っていた。
それを聞いて俺は
「じゃあ俺は帰るね」
と言って帰ろうとしたが
「あ、お待たせ2人共」
と加代さんが帰ってきた。
2人が鉢合わせした瞬間だった。
加奈さんは
「あ、加代、まだ魔術でいけると思ってるみたいだけど、無理でしょ?」
「大丈夫、魔術は向かわせてくれるよ! 異世界へと!」
と言って2人の目から火花がバチバチとさせながら睨みあってしまった。
俺は
「あの……喧嘩するのやめませんか?」
と言ったが
「「これは誇りの問題!」」
と言って黙らされてしまった。
そして、健也は
「まあ、2人は別々の方法で異世界へと行きたいということなんだ……えっと妹さんは」
「魔術」
「お姉さんが」
「科学」
とそれを健也は確かめた。
そして、
「とにかく、2人は久内にちゃんと話したらどうだ? それに久内も話を聞かないとまた訳が分からないまま巻き込まれるんじゃないのか?」
と言われた。
俺は
「もう十分聞いたから意味がない気がするが……まあいいよ」
と言って取り敢えず2人の話を再び聞くことにした。
2人も
「「分かった」」
と言って納得した。
そして、2人は近くにある異世界部2に入って行った。
加代は自分の部室の為すぐに椅子の用意とコーヒーを淹れて3人に配った。
そして
「じゃあ話し合おうか? 異世界について」
と言って何故か仕切りだした。
それに対して加奈さんは
「ちょっと! どうしてあんたが仕切って……」
と言い終わる前に
「また喧嘩すると話が進まないから今は話そうぜ」
と言って俺は2人を止めた。
そして先に加代さんの方から話しだした。
「私はね、魔術が使えるの」
「は?」
「え?」
俺と健也は何を言ってるのかが分からなかった。
すると加奈さんが
「それに関しては本当よ、でもそれって脳の異常な何かが起こってそんな現象が起こってると思うって私は言ってるんだけどね」
と口を挟んだ。
だが、科学で証明できるといわれる加奈さんが言うのだからと思い
「えっと使ってみてくれる?」
と聞くと
「今は無理かな、準備に時間が掛かり過ぎるし」
と言った。
俺は
「どれぐらいの時間が掛かるの?」
と聞くと
「短くて10時間かな?」
と言った。
俺はそれを聞いて
「簡単な魔法とかは?」
と聞くと
「お母さまが使えたみたいだけど今はもういない」
と意外と重かった。
それを聞いて俺も健也もその剣に対してはあまり深くツッコまないように心掛けた。
そして俺は
「加奈さんは魔術が使えるのか?」
と聞くと
「私は全然使えないよ? だからどうして妹が使えるのかを科学で解き明かそうとするのとそして異世界にはやっぱり科学じゃないとと思っているから」
と答えた。
それを聞いて俺は
「じゃあ、明日は休みだからその日を使って魔術を見せて貰えたりする?」
と聞くと加代さんは
「いいけど、それにはお父さんの許可も必要になるかな?」
と言った。
それを聞いて健也は
「ああ、あの親父さんか……」
と何か重い表情をした。
俺は健也に
「なあ、こいつらのお父さんって誰?」
と知っているのかを聞くと
「ああ、みんな知ってるよ、よく駅とかで演説している」
「演説?」
それを聞いて俺は1人思い当たる人がいた。
そう言えばあの時伊勢さんだとか言われていた人が
「まさか……駅の選挙の……」
「ああ、やっぱり見てたか、そうだよ、あの都市開発の人だ」
と言って健也は笑っていた。
明日はきっと恐縮してしまいそうだと俺は思った。
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