「魔人ドラキュラ」


 あらすじーーーー


 イギリスの事務弁護士レンフィールドは、トランシルヴァニアの貴族ドラキュラ伯爵の商談の招きによりドラキュラ城を訪れる。ドラキュラとの商談はロンドンでの土地の購入を希望するものだった。意気揚々としながら書類を用意するレンフィールドであったが鋭い紙で指を切り血を一滴の血を流した。伯爵の真っ赤な眼はジッとその血を眺めてくる。レンフィールドは高貴であるが不気味な伯爵の雰囲気に恐怖の心は拭えぬままに自身の血を舐めた。彼はまだ知らなかったドラキュラの正体は伝説上の存在とされていた吸血鬼である事を。そして、彼の恐怖のロンドン移住計画の駒にされる事を。



「魔人ドラキュラ」は1931年に公開したアメリカのユニバーサル映画が製作したホラー映画です。 元になったのは1897年に作家「ブラム・ストーカー」が執筆出版したホラー小説「ドラキュラ」我々が慣れ親しんでいる吸血鬼ドラキュラの原点がこの小説になり、魔人ドラキュラのオールバックな黒髪、高い鷲鼻、翻すマントにゆったりと親しげながらも尊大な語りが世界中でイメージする一般的なイメージだと思います。演じた「ベラ・ルゴシ」さんの存在感は様々な人物や創作品に影響を与えていると言われてます。


 この魔人ドラキュラは実は今年に初めてみたんですよ。きっかけは同じカクヨムユーザーの宇部 松清さんのエッセイで「フランケンシュタイン」の古い映画観たと言ってたやつですね。で、いい機会だから僕も観てみようと思ってアマゾンみたら一緒に表示されてて、なんかドラキュラの方に惹かれたんでこっちをポチリました。まぁ、コメントの方にも「ドラキュラや半魚人も探してみます」て書いといたんでまぁ、結果オーライ? 一応、フランケンシュタインもあとからちゃんと観ましたよ?


 で、本題の映画観た感想ですけど、綺麗ですね。女優さんがね凄く綺麗なの、うん。なんか白黒特有の雰囲気なのかそうゆう化粧してるのか女優さんが恐ろしくべっぴんさんなのかわからないですけど綺麗なんですよ。

 あと、なんかセンスが凄いなって思いましたね。冒頭一秒で白鳥の湖からスタートしますから、ちなみに、サイレント映画からの脱却初期の作品のせいなのか音楽らしい音楽はこれだけです。ほぼ役者の声と効果音で勝負してる感じです。台詞回しとかちょっとオシャレかなと思います「蜘蛛の巣もインテリアなのだよ」的なやつとか。あと、夜のシーンは本当に夜に撮ってんのかめっちゃ暗いですね移動馬車のおじさんとか不気味さが際立って(この馬車のおじさん演じてるのもベラ・ルゴシさん)。あと、ミニチュア撮影なんかわかんないけどドラキュラ城の外観とか嵐の中でいまにも転覆しそうな船とかも印象的。影を使った死体の演出とか鏡の表現とかもうまいなって、思いました。ほんで、やたらとテンションの高いギャグっぽいシーンが挟まるせいかホラーだけど怖い感じは薄いですね。なんか巨漢のメイドさんがいきなり気絶してヘナヘナドシーンと倒れたりね。もしかしたらこの当時はこうゆうギャグを挟むのが流行りだったのかも知んないですけど。

 そうだ、忘れちゃいかんのが「ヴァン・ヘルシング教授」ですよ。僕のイメージだとヴァン・ヘルシングって吸血鬼ハンターのマッチョなイケオジだったんですけど、この映画だと(というか原作小説)ではなんか結構お歳をめしたお爺さんなんでギャップがありましたね。けど、この丸メガネを掛けた鷲鼻の渋いお爺さんも迫力があってこれはこれで良し。これも役者さん(エドワード・ヴァン・スローン)の力かしらね。こう「ちょっとこれをみたまえ」ってオシャレな宝石箱みたいな開き手鏡を開けて見せるところとか余裕な表情でニコニコなドラキュラ伯爵が両手で鏡を叩き落として眼力だけで不快感をしめしたり、ヘルシング教授が十字架片手に伯爵から距離を取り一言「ヴァン・ヘルシング」て呟く所とか「この名を覚えておけ」みてえな感じで音楽無いけど迫力あってカッコ良かったですね。あ、ちなみにヘルシング教授は吸血鬼ハンターではなくオカルト研究をしている偉い外国の大学教授さんです念のため。


 この映画観て結構ドラキュラの事知らなかったなって改めて思いましたね。

 影が存在しなくて鏡に姿が映らないとか。蝙蝠以外に狼に変身できるとか。トリカブトが苦手?(これはこの映画だけみたいですね)血をいっぱい飲む(一回のお食事で人間が死ぬ)狙うのは美女だけとは限らない(男もターゲット)とかね。


 で、最終的な感想は「え、伯爵あっけねえっ……」でしたね。本当にこれで終わりって感じで短いですよね。実際深夜アニメ2本と半分くらいの長さだったんですけど。


 で、僕はこのあと原作小説「吸血鬼ドラキュラ」を読むわけですけど。

 キャラの立ち位置ちげぇッ!? へ、レンフィールドそこ? 重要人物二人も消滅してたのかっ。

 まぁ、主役を「ドラキュラ」に変更して約630ページの長編小説を70分くらいに収めればこうもなろう。


 では皆さんいつか機会があったら「吸血鬼ドラキュラ」でまたお会いしましょう。


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