天使なんかじゃない
今回は初めて読んだ本格的な少女漫画。「NANA-ナナ-」「ご近所物語」等で有名な矢沢 あい先生の初期の代表作「天使なんかじゃない」を紹介します。この作品との出会いは姉貴の買っていたりぼんでした。既にアニメが放送されていた「ちびまる子」ちゃん目当てで僕のジャンプと交換してお互いに読んでいたのです。が、姉貴はだいたいこの「天使なんかじゃない」のページを開いてよこしてきます。明らかにこれを読めというメッセージでしたので、姉貴には勝てない僕は最初に読む事になったのですが、これが面白くてりぼんで最初に読む作品になりました。途中から読み始めたのですが姉貴があとから単行本を買っていたので直ぐに最初から読めるようになりました。
この作品に出会ってなかったら少女漫画を読んでいなかったかも知れません。
あらすじ----
創立されたばかりの私立聖学園の第1期生「
この物語の主人公「
翠は最初のスピーチで全校生徒の前で転倒してとある失態をしてしまい、気になっている晃にも笑われてしまい、死んでしまいたいくらいに恥ずかしくて泣いてしまいその場から逃げ出そうとしてしまいますが、晃は笑った事を謝罪し、晃は機転を利かしてスピーチで注目を集めて翠をフォローして講堂から逃がしてくれます。涙を拭いて笑顔を取り戻した翠の中で晃の存在がまた大きくなっていきます。
生徒会投票の結果、晃はまさかの生徒会長に選ばれ翠はどんな役職でもいいから一緒に生徒会をやりたいと願います。次に副会長に選ばれたのは----翠でした。歓声と共に翠が見つめているのは晃の笑顔でした。
こうして翠と晃は瀧川、麻宮、文太と第1期生徒会役員に就任し、かけがえのない三年間の高校生活をスタートさせるのでした。
この天使なんかじゃないは少女漫画では異色と思われるヒロインの相手役がリーゼントなのですが、これには理由があります。なんでも矢沢 あい先生は歌手の矢沢 永吉さんの大ファンだそうでリーゼントが一番格好いい男の髪型だと思っていたそうです。前作の「マリンブルーの風に抱かれて」でもリーゼントだったそうですが、残念ながら未読です。作中では翠の好きな漫画として登場します(ちなみに他にカメオ出演で当時連載中だった「ママレードボーイ」が付録のスゴロクや漫画、テレビCMで登場したりもします)。読んでみると晃のリーゼントは気にならないと思います。むしろ、リーゼントをおろした時のギャップが堪らないんじゃないでしょうか。
ちなみに僕は晃が笑う時に片眉だけ下げるのが好きです。あと、みんなが一斉に笑う時に「どっ」て文字が出るんですけど、これだけで笑いを表現できてるのが凄いなと思います。
天使なんかじゃないは少し重たい話とかもありますけど、基本的にキャラクターは明るいので楽しく読めると思います。結末は少女漫画の王道のひとつでは無いでしょうか。テレビアニメにもなった次回作ご近所物語と同じ世界観でもあり、フリーマーケットの話で翠と晃がちょっとだけ登場します。あと、ご近所物語のメインキャラ「山口 ツトム」は芸能人の中川 ケンに似てたりしますが、このケンちゃんが天使なんかじゃないでは重要人物として登場します。ご近所物語を観た事がある方がいましたら、興味持たれて貰えると嬉しいですね。
そういえば、観た事は無いですが天使なんかじゃないはOVAがあるそうです。声優さんはいま現在もトップクラスの方々で驚きました。
単行本で矢沢先生は晃役の森川智之さんに背後から「先生」と声を掛けられて背中がゾクリとしたそうです。
あまり魅力は伝えきれてないと思いますけど、本当に面白い作品なので機会があったらぜひ読んでみてください。
最後に過度なネタバレ無しで好きなシーンをひとつ。
クリスマスに晃のためにチョコレートケーキを焼いた翠は晃のアパートの前で帰りを待ちます。ところが晃はクリスマスのケーキ売りのバイトに行っているため、帰りが遅くなります。その事を知らない翠は何度も帰ろうとしますが。雪の降る夜に晃が帰宅するとそこには翠が。翠はここにいる理由を色々と考えますが、晃に「会いたかったの」と伝えます。晃は冷えきった翠の身体を抱きしめ、晃の持って帰ったケーキは階段から落ちてゆく。
ちょっと思い出補正で違ってるかも知れませんが、好きなシーンのひとつです。
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