ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言~


 これは2003年に発売されたプレイステーション2専用のシミュレーションRPGです。ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)のゲームです。出会いは「テイルズオブデスティニー2」内にあった予告PVだったと思います。


 あらすじーーーーWikipediaより


 アクラル世紀999年。災厄が予言されたこの年、人々が暮れの忙しさに“予言の魔物”のことなど忘れていたその時、突如現れた魔物が街を襲う。その混乱を治め、戦う術などもたぬ人々を救ったのは、団長ブラッド率いる“ゴーレム山賊団”であった。


 その勝利に酔いしれる彼らの前に、謎の女が現れる。「すべての災いは回避されたわけではない」と警告した女の言葉通り“二つ目の予言”に記された魔物に襲われた街は壊滅し、ブラッドは長年連れ添った戦友をも失う。女の言葉を信じなかった己を悔やむ団長ブラッドの前に、彼女はその手に次なる災厄が訪れる地を記した“預言書”をたずさえて再び姿をあらわす。


「これは世界の危機に立ち向かった女神と不死なる男、そして、名も無き勇者たちの戦いの記録である。」


 999年から1099年に続く“大災厄の予言”を回避するため、不死なる男ブラッドが仲間を引き連れ、予言された災厄の化身・ナグゾスサールを倒すべく戦う物語。その100年という時の流れの中で、不老不死の主人公ブラッドを残し、生きて、そして死んでいく仲間たち。数多の出会いと別れ。そして、懐かしい面影を宿すかつての仲間の子や孫たちの参戦。


 万感の思いを胸に、すべては最後にして最大の災厄が予言された「1099年」のために、彼らは歩き続ける


 本作は不老不死の主人公「ブラッド・ボアル」を動かし999年~1099年の大災厄を数多くの仲間と出会い別れて戦ってゆきます。ゲーム開始時点でブラッドは不老不死となってから300年の時を生きており、手には死なせてしまった仲間達の数のタトゥーを刻みつけています。300年の時を重ねても人間臭さを捨てきれぬ男なのです。予言書を託された「女神アリア」の短い一生を終える人間の感情を理解できない言動に憤りを感じています。


 先に書いた通り本作は出会いと別れを繰り返してゆく物語ストーリーです。序盤のチュートリアルで新たなる才能溢れる仲間との出会い。過ちにより戦いの足を引っ張る仲間を解雇せざるをえない苦渋の決断。戦いの中で失うかけ替えの無い仲間との死という別れ、世界を救う旅立ちを決めるも、その地に残ると決めた仲間との別の道を歩む別れが描かれます。


 このゲームの基本は元ゴーレム山賊団以外は酒場で入団希望者を集めてゆきます。HP0になる死の別れは二度と復活はできず、例外である主要キャラもメインストーリーが終わり脱退可能になると死の別れは逃れられません。そして、このゲームの特長は全盛期や熟年期が設定されており、老いによる能力低下により、数々の死線を潜り抜けた戦友を解雇する苦渋の決断を迫られ、別の人生を歩む別れが待っています。なお、解雇をしなくても自分から辞めていく事もあります。その他にもサブイベントの依頼人と意気投合してそのまま、ついてゆくという別れもあります。ただ、別れだけではありません。戦いの日々の中で愛を育んだ仲間達が結婚し、子どもが産まれると両親の資質を引き継いだ子どもは15歳になると入団希望者として現れ新たなる仲間となるのです。

 この出会いと別れを繰り返し、大災厄の魔物に立ち向かってゆくのです。ちなみに本作の魔物は一体が災害レベルの強敵です。仲間達と協力しなければ倒せません。それぞれの特長を持った17の職種をうまく使い隊列を組み換えて勝利を手にします。


 職種による防御、攻撃、回復補助等の特殊能力を考え、プレイヤーは頭を悩ましますがここがこのゲームの楽しい所でもあります。中には電卓を使って計算してたという人もいるそうです。ちなみに、隊列は男女の友情や愛を育んだりもします。子どもを残したい相手が友情を育み親友ができると協力な攻撃を手に入れる代わりに結婚はできませんし、仮に結婚できたとしても、狙った相手と違うという事もあります。

「ワシはこの結婚を認めんぞ!」なんて叫んだプレイヤーは数多くいるでしょう。


 ストーリー面においても

 志し半ばで倒れたかけ替えの無い仲間が才能を見い出し鍛え上げた若者は心強き仲間へと成長し、次なる若者に教えを脈々と受け継ぐ師弟関係。

 かつて、苦渋の決断で解雇した仲間が別の分野で成功を納めその子孫が紹介する新たなる仲間。

 別の人生を歩んだ仲間二人の子どもがブラッドの元に入団希望に訪れ。

 そして、長い時を過ごした人間との交流で訪れる女神と妖精の確かな心の変化。


 ブラッドの長く険しい戦いは常に仲間との絆と共にあり、次世代に受け継がれた「絆」「想い」「戦う意志」は、再びブラッドの元に集まる。そう、ブラッドの戦いは決して孤独ではないのです。



 さて、振り返ると肝心のストーリーはあまり語っていませんね。しかし、語ると恐ろしく長くなるのとネタバレを誘発しそうなのでここはやめておきます。

 ただ、言えるのは、ストーリーは切なく感動的なシーンや、やるせない展開が多く、涙が滲みます。最後はやった事が無駄じゃないという燃える展開です。


 あと、全くゲームに関係ないですが、ブラッドを演じた「私市きさいち あつし」さんは後にコードギアスというアニメで「ルキアーノ・ブラッドリー卿」を演じてたりしてます。


 最後に、このゲームをクリアすると普通の人間を主人公としたモードがプレイできます。主人公は老いて死に、新たな団長を主人公にして約百年を戦いぬくのです。

 書いてたらやりたくなってきた。またリメイクして欲しいですねぇ。

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