第7話アデル英雄になる
道中は空気を読んだのか精霊達は大人しかった…いつもよりは…
御者台にいるアデルにある程度ちょっかいをかけてくるがもう慣れたもので意に介さず進む。
「王都まで約1週間か…」
「あい!ごはん!」
ソフィアに頼まれサンドイッチをアデルに差し出すマナス
「おお!ありがとうマナス!」
受けとると礼を言いながら頭を撫でる。
マナスに当たるからなのか精霊の攻撃は飛んでこなかった。
ソフィアはそれをのほほんと眺めていた。
「マナス!ソフィア!そろそろ王都が見え…てくるぞ!」
名前を呼んだだけでなぜかいつもより強い攻撃が飛んできたが難なく弾き飛ばす。遠くで何かが爆発したような音がした。
ソフィアがマナスを抱っこしながら御者台から顔を出す。
森を抜け平原に出ると遠くに城壁が見える。
「おうと?」
「そうだぞ!あれが…王都…?」
マナスの言葉に返事をしながらよくみると城壁のすぐそばで煙が上がっているのが見える。
「なんだ?」
よくみると兵士と何かが戦っているように見える。
「モンスターの群れ?」
近づくにつれシルエットがハッキリ見えてきた。
「あれはゴブリンか?」
大きさが普通より大きいのがいくつもいる。
中でも一際大きいのが王冠のような物をつけている。
「ソフィア!マナスを中に…!ってこんなときまで!」
精霊からの攻撃を鬱陶しいと弾き飛ばすと…
「ギャーー!!」
「え!?」
ピンポイントで王冠をつけていたものに直撃し、爆散した。
統率者を失い戦列が乱されこの隙を逃すな!と兵士達は突撃していった。
ものの数十分で50匹近いゴブリン達が討伐されていった。
その様子を遠巻きで眺めていたアデル達のもとへ指揮官らしき兵士が馬に乗ってやって来た。
「ご助力感謝いたします英雄殿!」
「英雄なんてとんでもない!」
アデルは首をブンブンと振り否定するが…
「いえ…貴殿にゴブリンキングを倒していただけなければどうなっていた事やら…」
…あれゴブリンキングだったの?
ゴブリンキングといえば無限にゴブリンを産み出す厄災の象徴じゃなかったっけ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます