第2話光の玉の正体

マナスが生まれて数日…家の中は壊滅的なダメージを受けていた。

オムツが汚れると周囲が水浸しになり、熱風が吹き荒れ近くのものが吹き飛ばされる。

彼ら?なりの好意なんだとは思うが正直被害の方が大きすぎる。


「あー!あー!」

と泣き出したマナスに追い込まれたアデルは…


「マナス泣くな!」

と思わず怒鳴ってしまった。

急に背筋が寒くなり、その場から離れると同時に今までいた場所に火柱が上がる。

「ぎゃ!」

驚きて尻餅をつくと頭のあった辺りを風の刃が通りすぎ…頭から水を被せられずぶ濡れになった。


「コラ!危ないことしたらダメでしょ!」

とソフィアが光の玉に説教をする。

おい!危ないぞソフィア!


だがソフィアに攻撃することはなくただふよふよと浮いている。


え!?なんか理不尽!

と言いたかったが言ったら襲われそうで止めた。


これは村長に相談しないとこっちの身が持たない…



「村長…あの光の玉について何か分かりませんか?」

部屋を片付け着替えを済ませると村長を訪ねた。


「…わしにはわからんが…知り合いのエルフが今度村を訪ねて来る。アイツなら何か知っているかも知れん。」


希望があるのか無いのかわからないがとりあえずその方が来るまで頑張ろう…




それから一月後村長の知り合いのエルフが訪ねて来たのだが…


「あの…何でこの方ひれ伏しているのですか?」


村長と訪ねて来て部屋に入り、光の玉を目の前にした瞬間エルフは光の玉に平伏した。


「な、なぜこのようなところに精霊の頂点の皆様が…」

ギンッ!と光の玉から威圧が発せられる。


「申し訳ありません‼」

このようなところという所が癇に障ったのか怒気を感じる。


「あの…この光の玉はなんなのですか?」


クワッ!と音がするほど目を見開きこちらを睨み付ける。

「言葉を選びなさい!こちらは四大エレメントの頂点精霊王様ですよ!」

…精霊王?


「…まさか回りのひ、方々も…?」

アデルはエルフ睨まれたので丁寧な言葉に言い換える。

「それぞれ火、水、風、地の精霊の頂点に立つお方々です。」


なんだろう…ただの光の玉なのに胸を張ってどや顔しているイメージが見える。


「…え?えーーーー!!!」

そしてようやく意味を理解し驚愕するアデル。

ソフィアは「あらあらあなたたち凄いのね♪」と光の玉に話しかけている。


…今の話を聞いてそんな対応できるだなんて…ソフィア恐ろしい子!

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