第65話*
あなたは無事に保安検査と出国手続きを終えて、ロビーで出発時間を待つ。24時を回っているというのにスーツ姿の企業戦士たちで賑わっていた。
スマートフォンで指定のネットドライブにアクセスする。パスフレーズを入力し、カメラで自撮りをして虹彩のデータを送信した。いくつかのファイルが表示される。あなたは待ち時間の間に読み進めた。
今回の任務の発端はイギリス国内でバックパッカーや違法移民が数人姿を消している疑いがあるとのことだった。今のところ、イギリスの市民権所有者が姿を消すことはないので大きく報道されてはいない。基本的には長い間姿を見せなくてもいつものことかと思われるような人間ばかりだった。
ただ、そのうちの一人は友人と待ち合わせをしていたことから、組織の警戒網に引っかかることになる。そして、疑いを向けられたのが東部の小さな町ブランズウィッチ。郊外の古い屋敷に外国人風の得体の知れない人間が住み着いたのだ。周囲との交流を避け、ひっそりと暮らしている。
添えられていた航空写真を見ると耕地と森に囲まれた敷地に立つ屋敷だった。先入観からかなんとなく陰鬱な雰囲気を感じてしまう。あなたは住所を頭に叩き込んだ。ファイルを閉じると跡形もなく消えている。一度閲覧すると自動で消える仕組みになっており、さらにこのサーバーへのアクセスも閉じられる。あなたの任務はここで何が行われているか調べることだ。
⇒第52話に進むhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054890935249/episodes/1177354054890936019
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