第23コーナー「今後の方針」

 赤色の部屋の——俺は座って頭を抱えた。

 村絵とも水槍とも村絵とも、完全に引き離されてしまった。

 詩音は相変わらず呆然と魂が抜けたような状態で、何やらブツブツと呟いている。

「ごめんなさい、村絵ちゃん。私がちゃんと側に居なかったから……」

 余程、村絵と離されたことがショックであるのだろう。涙を流し、目を泣き腫らしていた。

「こんなことに巻き込まれるなんて……。早く、村絵ちゃんを見付けてあげないと……」

「ああ。そうだね」

 何気ない一言に俺が同調して頷いたので、詩音は驚いて顔を上げた。

「別に死んだって訳でもないだろう。この部屋のどこかに飛ばされているのかもしれない」

 村絵が死んだところを直接目撃した訳ではないので、まだ希望が持てる。扉が閉まると部屋全体の構造が変化するものと考えれば、どこかには存在しているはずである。

「こんなところでじっとしている場合じゃないよ。みんなも赤色の扉を探しているんじゃないかな? 捜してあげないと」

 詩音も俺の言葉に納得してくれたようだ。

「そうだよね」と、頷く彼女の瞳に生気が宿ってく。

「村絵ちゃんも、先にゴールに辿り着いているかもね。……私達も、早く迎えに行ってあげないと!」

 村絵に対する思いが、詩音の心の原動力となったようだ。

 立ち上がった詩音は大きく伸びをすると、俺に手を差し出してきた。

「行きましょう。私達も!」

「ああ!」

 俺も大きく頷き、詩音の手を取って立ち上がった。

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