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窓の向こうに見えるのは雪景色。
小さく白い粒が、降っていた。
玄関を開けて駆けていく。うっすら積もっているところは、滑りそうになった。
かき集めてやっと出来るほどの、雪だるま。赤い両手、じんじんと痛みがする。動いて暖かいから? 冷えたから?
腕をつつかれて、イヤホンを片方外した。
「時間よ。おしまい」
もうちょっと、やりたかったな。
VRゴーグルを外した。暖房がついて、ポカポカしてる部屋の中。温まってるからよく動く両手。
窓の向こうに見えるのは、小さく白い粒。
「雪だるま、作りたいな」
「ゲームで作れるでしょ? 外のは有害な物質が混じってて危ないの」
お母さんは何でも買ってくれたんだ。
VRゴーグルは、なんでも出来るんだ。
画面の中にある雪と、空から降ってくる雪。どんなふうに冷たいんだろう。ゲームでは掌で溶けちゃうんだ、こっちの雪でも同じなのかな。
僕は、本物を知らない。
──以下、呟き。
今更ながら、無人島。
Switchライト、どうぶつの森ゲット。
風の音
ジョウロで水やりする時の音
釣っている時の浮きが沈む音
とにかく音が心地良い。現実では当たり前にある音なのに、ゲーム内で再現されてたら感動してんの。なんか不思議。
アニメでも、現実にある場所が描かれてると、聖地巡礼とかね。特別に思えるのは確かにそうなんだけど、何なんでしょうね。はっきり言えませんね、でも何か良さがあるんですよ。
そして、フワッと思い付いたのが、上記のショートストーリー。SF風味になりました。
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