『気をつける部分と、普段通りと』

 休みであれば何かしたいと思えて、仕事であれば何となく気だるい。気をつけていてもON・OFFがあるようで、すっきりしない1日だ。


 非接触体温計と記録用紙を片手に、1人々見てまわる職員さん。病院に勤めてた経験あるし、渡されたのかな。

 以前は夕方にやったか。朝やった時の表示は、平熱。やっぱり測る時間帯か。正常に動くなら額で済むほうが良いね。



「GEO行ったけど売ってなかったで」

 Nintendo switch買いに? お子さん居るし、ずっと家は難しいね。


「ゴルフ行った」

 それって、良いんですか?


「ちゃんと自粛してたか?」

 掃除、衣替えしましたよー。


 普段通りに流れる会話が心地良い。



 資材を配達してくれるお兄さん。

 手を振ったら返してくれて、密かな楽しみだ。



「あー、辞めたらしいよ」

 薄々そう思ってた。当たりか。同じ時間、同じ場所、関わりは無いに近い。だけど、空いてる椅子を見てつまらなく感じた。



 夕方、帰り支度。1日の中で、たった一言。場所が違えば会うこともないから。「お疲れ様、さようなら」わずかな繋がりが嬉しい。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る