第2話 ラプレッツァ王家とサズベータ侯爵家。

「・・・何故だっ!俺は俺は俺は俺は!!王太子のはずだろっ!!」


「何を仰ってるの?」


馬鹿なのかしら?もしかして、私と結婚する予定だったから王太子になると?ばーかーでーしょー?おうたいしにはなれない。あいつはせいぜい王配よ。で、私女王。勘違いバカと言う不治の病はほんとに恐ろしいわね。もっと胸に突き刺さる言葉、無いかしら?


「あぁそうそう、令息。私、あなたのこととても嫌いだったの。婚約破棄ありがとうね?ゼーセック侯爵令息。」


「んなぁ!!??貴様は俺の道具として一生を俺に捧げるつもりではなかったのか、レティシア!」


「は?そんなもの、そこの確か・・・ローゼットとかいう人に頼みなさいよ、無礼者。」


ほんと、救いようのないバカって実在したのね。

ただの比喩かと思ってたわ。


「ローゼットは俺の正妃だ!そしてお前は妾妃にするつもりだった!ローゼット・マーマレード子爵令嬢はお前より優秀だが、どうせお前は教師に色目を使い彼女の成績を落とさせたのだろう!?そうに決まっている!」


んー?まだ自分の立場も知らないのね、・・・。


「近衛、連れ去りなさい。最も地下牢の中で心苦しい所へ送るように。」


「失礼ながらレティシア・マリー・ラプレッツァ第4王女殿下!ゼーセックは悪くないですわ!」


「・・・失礼と思っているなら黙っていなさい不調法者。ローゼットあなた、いまのであいつが悪くないってご都合主義ね。」


ローゼット。子爵令嬢だっけ?こんな奴の成績なんか興味無いのに、なんでわたしが態と落とさせたというようなことを言えるのかしら?頭がお弱いのだから仕方ないわね。


「マーマレード子爵は降格、男爵としますね。」


残念だけれど娘の教育を怠った親にも罪はある。

大人しく断罪されれば良いのだけれど。

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