第5話

この世界には魔法が存在する。


魔法と言っても「メ〇」や「エ〇スペリア―ムス!!」といった呪文を言う必要はなく頭の中で明確に想像しながら体内の魔力を手や体全体から放出すると魔法が放てるらしい。




魔法には属性というモノがあり自分に火の属性を持っていれば火魔法を、水の属性を持っていれば水魔法を行使することが出来る。


その属性の中でもほとんどの人間がどれか一つは持っていると言われているのが火、水、風、土、の四大魔法属性だ。こいつ等はそれぞれの属性に対してよくあるゲームのような関係が成り立っており、火は土に、土は風に、風は水に、水は火に強いらしい。




これ以外にも属性はたくさんあり、それらは特殊魔法属性などと言われている


この世界に召喚された生徒、教師の大半は大抵四大魔法属性と特殊魔法属性を一つづつ持っていることが多かった。


因みに俺は水と土、特殊魔法属性の命、陰、音属性を持っている。


いいだろう?俺もこれでチートの仲間入りだ!!


っと、思って城の魔法使いに自慢したら何故か可哀そうな人を見るような目でこっちを見てきた。なんで?




命属性は植物の成長を早めたり、茎や幹を動かす、あと生き物に懐かれやすくなる。


訓練中他の生徒たちがバカスカと火球やら水球(スポーツではない、水の球のこと)を撃っている間にどっかの童話に出てくるお姫様のように小動物や虫と戯れて異彩を放っていた(虫と戯れるのは果たして童話に出てくるお姫様なのだろうか・・・?)


陰属性は精神系に作用する属性らしく、極めれば相手(人間)に幻覚を見せたり相手の精神を支配できるそうだ。怖いネー。


まあ今の俺の実力だと相手に鳥肌を立たせて気を引くぐらいしかできないがな。


後、音魔法は魔力を使って音や振動を出す魔法だな。うん、地味






・・・俺のもつ魔法の属性についてはこれくらいにするとして、この世界では魔法はごくありふれたもので生活や戦闘にも多く利用されている。


生活でというとこの世界の上下水道は魔法によって完備されている。トイレのレバーを引くと水流がでる魔道具により排泄物は下水道管に導かれそこから水質を浄化する魔道具をにより汚水を人間が飲んだら腹をこわさないくらいのレベルにしてから自然の河川に流すらしい。


戦争や紛争では魔法兵というのが存在し、敵の歩兵を魔法でバッタバッタと倒すらしい


射程的には弓に劣るが魔法が当たれば敵を確実に仕留めることができ様々な国で魔法使いは重宝されているそうだ。




しかしそんな魔法使いにも弱点というのは存在し、例えば自分の内包する魔力を使い切るとてんで使い物にならなくなるのだ。それ以外にも魔法が得意な奴は基本的に運動はダメであり、足が遅かったり持久力がなかったり、簡単に言うと運動はあまり得意ではないらしい。魔法兵や冒険者をやっているような魔法使いだとまた違ってくるようだが。




あとは今の俺のように『魔封じの首輪』とか魔法を行使できなくなるような拘束具をつけられると本当に使いものにならない。




あれー?いつからこんなもの付けられてんの?


場所もさっきまでいた秘密の抜け道がある掘っ立て小屋の前ではなく何か、窓のない一室だし。


・・・まさか捕まった?いやいや、捕まえる理由がないっしょ。


じゃあなんでこんな事になってんだ?知るかボケ!!








ただ、俺に何か有用性があって閉じ込めているに違いない。だから今俺は死んでいないということだろう。


ということはどうすればいいか?もちろん決まっている、何か起きるまで待っていればいい。


魔法が使えない今何か事を起こして寿命を縮めるということもない




幸いこの部屋には小さい蝋燭が一本光っている。殺す気ならこんな蝋燭も用意しないし多分問題ないだろう




それにしても一つ不思議なのはなぜ手や足を縛っておかなかったのかだ。


人を誘拐なり捕まえるときは拘束の一つや二つはすると思うのだが?


案外俺の場合は誘拐とかではなく違った理由だったりして。そしたら首輪を付けさせる必要性はないと思うのだが。




考えてたら面倒くさくなってきた。他のことを考えよう。
















・・・トイレってどうすればいいんだろう。蝋燭を持って室内を見渡すと大人用のおまるを見つけてしまった。




おいおい、この世界のトイレは水洗式だって話したばっかだぞ!!どうなってんだよ!?

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