第4話

やっぱり剣と魔法のファンタジー世界らしく城の中には城外へ出るための秘密の抜け道があるらしく、

お姫様を先頭に竜崎君とそのハーレムを尾行する俺は最終的に城内のある一室ににたどり着いた。室内には誰もいないのか竜崎君たちはズカズカと部屋に入って行った。


俺も気づかれないように扉を少しばかり開けて室内の様子を覗き見ると、どうやらここは城の使用人たちが使う休憩室の様で部屋の真ん中には大きなテーブルに椅子がいくつか置かれ壁際には食器やポットの置かれた戸棚や暖炉がある


お姫様は暖炉に向かって身をかがめるとここからでは何をしているのか分からないがガコッと小さな音がしたと思うと暖炉の壁が無くなりぽっかりと穴が開いていた



「この抜け道は王家の中でも限られた者しか知らないんですよ~。

 他の方には絶対に喋っちゃダメですからね。」



・・・それをたかだが二か月ぐらい前から知り合ったような奴やこの世界の人間に見せていいもんなのか?

俺、この国の将来が心配だ。


そんなことより、竜崎君たちがその穴に入ると穴は自然に下から上にレンガがせりあがりまた見えなくなった。


一分少々待ってから部屋に侵入、暖炉を調べる


別に何か仕掛けが施してあるということは・・・いや、待てレンガの一つに小さい紋様みたいなものがあるな。


これは確かこの国の王家の紋章みたいなものか?よく旗とかにあしらってある奴だ


そのレンガを押してみても何も反応がないしなんだろうか?魔力でも流してみるか?


俺は体の中にある魔力をその紋様が描かれたレンガに少し流し込むようなイメージで・・・お、


紋様が緑色に輝きだした。どうやらこれで正解だったらしい


そしてガコッという音がすると暖炉の壁はスルスルと下に降りていき先程同じようにぽっかりと穴が開いた


覗いてみると苔の生えた洞窟になっており中はなぜか明るい、なんだ?壁や天井に生えている苔が光ってんのか


さぁて、面白くなってきた










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少しばっかし狭い洞窟を歩いて大体一時間ぐらいたったかな


なんで竜崎君たちを尾行しようなんて思ったのかと後悔し始めたときようやく出口っぽい扉が見えた。


扉の外に人間がいないか確認してから慎重に扉を開けて出てみるとそこは街の少し寂しいところに建っている掘っ立て小屋の中っぽい、何度か自由時間にこの付近を歩いたことがあるからすぐに分かった。


掘っ立て小屋から外に出て竜崎君とそのハーレムの面々を探・・・「ここが王都なのですね!!」


いた、お姫様がすごいテンションで少し離れたところでグルグル回っているから探す手間が省けた


どうやら竜崎君たちはお姫様の方に注意が向いていて俺に気が付いていないらしい



「さあ、行こう。

 これじゃあ目立っちゃうから、それに今日は目的があって来たんだろう?」



十分目立ってます。

それにしても目的とは・・・まあお姫様がお忍びで街に出るくらいだから何か特別な用であろう



「八ッ、そうでしたわ。それでは行きましょうか」



竜崎君に言われ正気に戻る姫様(もうお姫さんでいいや)、しかし竜崎君は首を横に振った



「それじゃあダメだよエイン。君は今一人の女の子なんだからそんな堅苦しい言葉は使わないで、

 もっと自然にふるまわなきゃ。」



Oh、お姫さん呼び捨ては思ったよりも関係が進んでいるようだDA!!


しかし、ハーレムメンバーのメイドさんは主お姫さんが呼び捨てにされてよろしいのか?他のハーレムの面々と一緒にうんうんと頷いているが、そこに雇用と被雇用の関係はありますかいな?


それとも、竜崎君のお付きだから自分の主は竜崎様だ。みたいに彼女らは考えているのかな?



「それもそうで・・・、そうね頑張ってみるわ」



俺が下らないことを考えていると少し物言いのことで悩んでいたらしいお姫さんは頷くとやっと一行は出発した。竜崎君を囲うようにして








ヘッ!、見せつけてくれちゃってよ

若干イラっと来たから姫様が抜け出している事兵士に告げ口するかな

てか、告げ口云々っていうより普通に報告は必要だな。うん

絶対に姫さん危険な目に合うもん、賭けてもいい



こういうシチュエーションで何もないということは逆におかしい、初のお出かけイベントでただデートを楽しみました~では終わらないだろ。






そう思ったら善は急げという奴だ


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