第20話 わたしは癒しになりますか


小さな頃

パパとママがよく喧嘩をして

ママが一人で泣いてたから

何かあったら

ママと一緒に生きようって決めてた

まさか持ち直すなんて

思わないじゃない


余程のことじゃないなら

たいていの罪はどうでもいい

でもみんなはそうじゃないみたい


あんたにモラルなんて

別に求めてない

ただ ただ

陽の射す場所で生きていて

愛してる 愛してる

薄情な私のウソを今日も見破ったね

愛してる 愛してる

それ以外を取る気はないわ

共に過ごそう

誓いの指輪を

私の方から

嗚呼


飽きたら別れればいいって

あんなに笑ってたのに

実際 男を愛した女は

なかなかそう行かなかった


時代はなぜパパを赦さなかったの


母性も慈愛も持ち合わせていない

ただ元気で暮らしていきたい

もし生まれ変わったら

もう一度女を全うしたいわ

愛してる 愛してる

それ以外はもう気にしない

愛してる 愛してる

幸せならいい


男に生まれなくてよかった

遠くへ離れても見守るなんて

嫌いな歌だったのに

最近 それが正解なんだと

思い知る


もし来世で会えるならば

一番に時代を駆け抜けて

もし赤の他人でないのなら

最後に笑って口づけて

二人だけの話をしよう

誓いの指輪を

私ごと渡すわ


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