第26話 私の戦後処理
「こんにちわ~」
「お?嬢ちゃんか?体は平気かい?」
私は何をしているかというと、ベットでゴロゴロしながら次の指示を待つのも退屈なので、イオリさんの魔法で焼かれてしまった【たんぽぽ】を再度作ってもらおうと櫻井さんの工場へやってきた。
なぜ、こんな余裕があるかというと、あの戦闘のあと気絶した私や負傷者、魔力酔いで戦力外のメンバーを赤坂に収容し、首脳陣と動けるものは護衛として40名ほどでヴィルヘルム魔導国との交渉に向かった。そこで和平交渉などの調整をしている最中らしく、もはや戦後処理の段階で武力はいらないらしい。人数を連れてくのはパフォーマンスなんだそうだ。
どんなパフォーマンスなんだ?
ちなみに赤坂は、マグマだまりにした平原の復旧作業のため放水を行っているが熱が下がらず中々難航しているらしい。イオリさんマジパねぇ。
さらに私は知らかったが、赤坂の防衛設備を維持するために2~3人は常駐しなくてはならず、櫻井さんは基本的に留守番を担当するのだそうだ。なにか不備があれば直す人が必要だかららしい。最重要事項が赤坂の防衛と維持いうことだろう。いま、この要塞には八神さんを責任者代理として、軍医の石神さん(二日酔いの薬くれた)とドクターシップドクターたる櫻井さんとあっちゃん(工藤さん)ともう一人(名前忘れました)くらいしか動ける人はいないらしい。
だが、八神さんに聞いたところ異常事態が起きない限り基本的には暇らしく櫻井さん筆頭に生産メンバーは普通にもの作って私達生活の安定化を図ってくれているらしい。
超助かります!
「そこで、暇つぶしに私は武器の調達をお願いしにまいった次第になります。」
セリフか、ナレーションベースか、意味不明な言葉を櫻井さんになげかける。
「何がそこでだ。俺はそこまで暇じゃないぞ。。だがまぁ、嬢ちゃんはいい働きしたからな特別に優先的に作ってやるよ。」
「ありがとうございます!でも、いままでも優先的に作ってくれてたのに」
「そりゃ、新人に最初の武器を渡すのは最優先だし、戦争用の大型バリスタは切り札になるからな。結構予約で皆待ってんだ。で、作るのはまた小型バリスタかい?」
「そうですね。【ひまわり】は後で回収しますが、【たんぽぽ】は燃えちゃったんで欲しいです!あと、新しい兵器ください!」
「たんぽぽってバリスタの名前か?つくづく面白いねぇ、嬢ちゃんは。分かったバリスタはすぐやってやるが新しい兵器はなんだよ?」
「なんかありませんか?」
「俺が考えるのか?」
「だって相談していいって。。兵器なんか詳しくないですし。。」
「まぁ、そうだなぁ。兵器はわからねぇけど、すぐに思いつくの槍の強化だが槍のレベルもまだ2だよな?じゃ、難しいか。」
槍のレベル?
私はあわててスカートのポケットから先ほど頂いたスキル表を開く。
おぉ、レベル上がってた。戦闘中ってレベルアップ案外気づかないな。気をつけよう。
「レベル3に上がりました!」
「なんだって?相変わらず竹のように成長するな。」
「でしょぉ?」
竹のように!渋い言い回しで気に入りました。今度使ってみます。
「まぁ、じゃ目新しくはないが魔法武器を使うのはどうだ?」
「魔法武器ってなんですか?」
「例えばな、銀を特殊な加工をすると魔力を帯同するようになるんだよ。魔力を帯びた武器はそれだけ威力が凄まじいからな。イオリの持ってる銀槍とかもそうだ。」
銀槍!そういえばイオリさんに最初に借りたのもそうだった。我妻さんが開戦時に放り投げてたハルバートみたいのもそうだろうか?
そういった使い方ができるのは知らなかった。
「いいですね!ぜひ作ってほしいです!あ、できればこういう形状だと尚いいのですが…」
そういって、私は手元にあった紙に理想とする槍の形状を書く
「こりゃ、ランスか?フェンシングでもやってたか?」
「いえ、形状がかっこいいので」
「がははは!まぁいいが、長槍の方が使いやすいぞ?」
「長槍も持ち歩きますし、魔法こめるなら破壊力ある方が良さそうかなって」
「なるほどな、まぁいいか。作ってやるがこれだと結構金かかるぞ?」
「お・おかね?」
何それ?おいしいの?
「ん?そうか、いままでは支給品ばかりだもんな。もちろん、最初の武器セットは無料。嬢ちゃんの場合小型バリスタまで特別に支給だ。長槍とか弓、銃は量産化してるし矢倉に常備させたりするから戦時中は皆に無料配布。つか大型バリスタはもともと赤坂の防衛設備だから、貸出扱いなんじゃないか?」
な、なんだって?
「だから二代目の小型バリスタも結構な値段になるし、嬢ちゃんの場合は球に槍使うから燃費悪いしな」
燃費が悪いとな?
「今回の戦争ボーナスで嬢ちゃんは結構もらえるかもだけど、全部は揃わないんじゃないか?もしバリスタ用の投擲槍も魔法武器になんかしたらより金かかるな。」
しようと思ってました。。
「世知辛い…」
意気揚々と戦力強化にきた私に思わぬ落とし穴が待っていた。
それはマニーだ。
「まぁ、ある程度は我妻から金借りれるから、それで作ってダンジョンとかで稼いで返すといいさ。いい訓練にもなる。金持ってきたら約束通り優先に作ってやるしな。がはははは」
そう気前良さそうに笑う櫻井さんはツケも許してくれない。くそぉ
しかたなく櫻井さんの工場を後にして金策に頭を悩ませる。
かねかねカネカネ金金~~~!!!
はぁ、まずは甲板にいって矢倉から長槍をくすねてこよう。
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