三十曲目:Mayhem『Freezing Moon』

 今年は例年以上に暑くなりましたね……。残暑も厳しく、熱中症対策が欠かせません。

 冷たい飲み物やアイスに依存してしまう方も多いのではないでしょうか。

 今回は、そんな夏にぴったりな一曲。

 ノルウェー出身、ブラックメタルの代表格であるMayhem、そのファーストアルバム『De Mysteriis Dom Sathanas』収録の人気曲です。

 ……もしかすると、バンド自体は「検索してはいけない言葉」やニコニコに上がっている怪談動画でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。かなり悪名高いバンドでもありますからね。

 さて、この楽曲ですが、これぞブラックメタルと言わんばかりの非常に冷たいメロディーが光る、とても格好いい曲です。

 イントロのドラムとギターのどっしりとしたイントロから入り、しばらくして曲が加速し強烈なブラストビートと共に荒涼としたギターサウンドAttila Csiharの不気味なヴォーカルが絡みつき、そして再びテンポが落ちて狂ったようなヴォーカルと冷たいギターソロ、そして最後に再びテンポが上がりブラストビートで締め、と言った感じですね。

 展開の複雑さ、そしてドラムの正確さはこの楽曲の大きな魅力です。Mayhemでドラムスを務めるHellhammerはかなり多様な音楽に触れており、ジャズの素養もあります。故に、めちゃくちゃうまいです。ノルウェーのミュージシャンに贈られる賞を三回も受賞してしまうぐらいにはうまいです。

 彼のドラムの技術は個別に動画が上がっていた気がしますので、気になった方は調べてみると良いかもしれません。本当に、度肝を抜かれます。

 ヴォーカルのAttila Csiharもこの楽曲への貢献度は高いですね。彼の呻くようなヴォーカルはブラックメタルというジャンルに対する親和性がとても高く、荒涼とした不気味な雰囲気を生み出す大きな要素となっています。

 個人的な話にはなりますが、彼がヴォーカルを務めていた頃のSunn O)))の作品も大好きです。こちらはドゥームメタルというジャンルにはなりますが、楽曲の雰囲気としては似通っていて、こちらも非常に格好良いです。

 そしてさらに、この楽曲が好きな理由として、ライブパフォーマンスが挙げられます。

 もちろんライブでも非常に安定した演奏を聞かせてくれる(初期の頃は音質がひどく演奏の質云々で改善できるものではありませんでしたが……)わけですが、この曲を演奏する際の前口上も非常に格好良いのです。

 金銭面の都合であまりしっかりと聴けていない故断定はできませんが、これはヴォーカルがまだDeadだった頃のライブ盤で聴けます。『When it's cold, and when it's dark, the Freezing Moon can obsess you!!!』と地の底から響くような声でDeadが叫ぶ様は、言いようもなく格好良いです。本当に。

 今回はこんなところにしておきましょう。

 ノルウェーのメタル界を代表する重鎮バンドの名曲、是非一度聴いてみてください。

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