二十曲目:Pink Floyd『The Great Gig In The Sky』
いやあ、遂に『Brit Floyd』に本初上陸公演が来ましたね。存在自体は数年前から知っていましたし、Youtubeにあがっているライブ映像などたくさん見るぐらいには気になっていましたから、今回の来日公演はかなりの朗報でした。
とはいえ、金銭的な問題でFuji Rockとどちらを取るか、と言ったところで迷ってしまっていたのですが……(笑)
まあ結局、Brit Floydにしました。どちらも長く続いているとはいえ、夏フェスの代名詞であるFuji Rockに比べてBrit Floydはあくまでも単独公演。どちらの方が終わる可能性が高いかなど自明の理です。
という訳で、今回はピンク・フロイドから一曲、私の大好きな曲をご紹介します。
ペンネームを見ればわかる(実はこの曲の邦題から持ってきた『虚空のスキャットマン』というのもペンネーム候補に挙がっていたりしました)通り、私はかなりのプログレ好きでして、当然ピンク・フロイドも大好きなバンドの一つです。
Syd Barrettが在籍していた、最初期のサイケ期から、近年の『The Division Bell』まで(『The Endless River』は例外。あれはフロイドのアルバムというよりも、フロイドのエッセンスをちりばめたアンビエントアルバムに聞こえてしまうのです)、どれもこれもかなり聞きました。
そんな中でも特に印象に残っていて、且つ大好きな曲というと、やはり『The Great Gig In The Sky』です。
この曲は72年発表の不朽の名作『The Dark Side Of The Moon』収録の曲で、ヴォーカルは入っていますが一応インスト曲という扱いになっています。
この楽曲は、単曲でもアルバム通して聞いても、かなりのインパクトを残していきます。
単曲の場合で言えば、やはり綺麗なピアノのイントロから入った後のClare Torryの力強く美しい声が素晴らしい。途中若干かすれ気味になるところも含めて、彼女の声は完璧だと思っています。
ただ単に綺麗にメロディを歌い上げるだけであれば、ここまで心に残る事はないでしょう。しかし、若干かすれが入る事で、一気に泥臭さと熱量が加わり(元々熱量はありましたが、ここでさらに上乗せです)、こちらに食らいついてくるのです。
そして、アルバムを通して聞いた時、この曲は名曲『Time』の後に入ります。この位置がかなり重要で、単曲で聞いた際の若干ロマンティックな雰囲気から印象がガラッと変わってきます。
『Time』の歌詞はかなり暗く、救いの無いもので、そこで残った冷たさを引き摺って『The Great Gig In The Sky』に入っていきますから、当然メロディも幾分か暗く聞こえます。そして、Clare Torryの熱唱は『Time』で絶望を味わった者の絶叫のように聞こえてきます。
そして、ゆっくりと静かになっていく終盤では、一周回って開き直り、金の亡者となっていく『Money』へとつながっていく。完璧な流れです。
ただ、この解釈は飽くまで私個人のものですから、余り当てにしないようにしてください。私は専門家ではありません。証拠に基づいたことなど何一つ書いていないのです。
予防線を張るのはここまでにして、さておき。
ここまで語ってきたように、『The Great Gig In The Sky』は私にとってかなり印象の強い曲です。そして、実は私がピンク・フロイドにハマる切っ掛けをくれたきょくだったりもします。
最初に聞いたアルバムは『The Wall』だったのですが、実は最初に聞いた時、このアルバムは余り好きになりませんでした。理由は分かりません。
そして間をあけて、『The Dark Side Of The Moon』を聞き、なんだか普通だなあ、と感じていたところでこの曲が入ってきたのです。
当時の衝撃と言ったらすごいものでした。何度もリピート再生したのは言うまでもありません。
そんなわけで、私の深い思い出の曲であったりもします。
さて、今日はここまで。
アルバム世界累計売上二位を記録したモンスターアルバムの中の名曲、ぜひ一度聞いてみてほしいです。
ちなみに私のピンク・フロイド名曲十選はこんな感じ。
・The Great Gig In The Sky
・Us And Them
・Another Brick In The Wall Part. 2
・Atom Heart Mother
・Time
・Money
・Wish You Were Here
・Mudmen
・Astronomy Domine
・One Of These Days
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