十九曲目:Billie Eilish『Bad Guy』

 この曲について語るのは何だか今更すぎる気がしますが……お許しを。

 さて、最近何かと話題の新進気鋭の若手アーティスト、ビリー・アイリッシュでございます。

 調べてみたら、彼女はまだ17歳らしいですね。その年でここまでのビッグネームになるとは、才能というものは恐ろしいですね。

 今回は、そんな彼女の曲の中でもひときわ人気の一曲、『Bad Guy』です。

 実は私、最初に聞いた時はあまり好きではありませんでした。何というか、ぼそぼそと呟くような歌い方が苦手だったのです。ついでに言うと、ミュージックビデオも散漫でつまらないなと感じていました。

 それが大体、半年前でしょうか。まだアルバムが出て間もない頃ですね。

 その時に一度聞いて、その後は年始まで一切聞く事がありませんでした。人気アーティストとはいえ、コマーシャルやらなんやらで取り上げられているという事はそこまでありませんでしたから、本当に半年以上触れてこなかったわけです。

 しかし、先日気まぐれにフジロックのヘッドライナー予想記事を読んで、そこで何となく聞いてみたら、何故かすっと入ってきたんです。不思議な事もありますね。

 実を言うと、私って何故か最初に聞いて気に入らなかったものが後から大好きになると言うパターンが多いんですよね。何故でしょう。King Crimsonの『In The Wake Of Poseidon』とか、Rage Against The Machineの楽曲全般とかもそのパターンでした。

 閑話休題。

 さてさっそく楽曲について語っていきましょう。

 個人的に、この楽曲はミュージックビデオと共に楽しむのが良いなと考えています。ビリーの掻き消えてしまいそうなか細いヴォーカルと、ベースラインをことさら強調した大人しめのサウンドが、あのとりとめのないごたごたしたビデオによくマッチしてます。

 人気や年代に関わらず、楽曲においてヴォーカルというのはうるさくはあれども決してか細いものではありません。むしろ、何重にも何重にも重ねて美しいハーモニーを作り出したり、吐き捨てるように荒々しくしたり、挙句の果てには下水道の音を出したりと、かなり主張が激しいパートです。

 しかし、ビリー・アイリッシュは違う。彼女のヴォーカルは今にもベースに飲み込まれてしまいそう(イヤフォンやヘッドフォン、特にJVCのXXシリーズやSkullcandyのCrusherシリーズだとかなり顕著に出ますね)なんです。

 本来であればあまりプラスにはならないこの要素ですが、しかしこの楽曲においてはこれが大きな長所になっています。

 そもそも、楽曲自体がどこか夢のようなふわふわした感じで、余りはっきりとした声は合わないのです。ですから、このヴォーカルは正にこの曲の為に存在していると言っても過言ではないほど、楽曲全体の雰囲気を支えています。

 そして、あんなにもファンシーな雰囲気でありながらかなりえげつない歌詞もまた良し。不気味さを演出していて高得点です。

 さて、今回はここまで。

 新進気鋭の人気若手アーティストの代表曲。ぜひ一度聞いてみてほしいです。

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