四曲目:Sonata Arctica『Fullmoon』

 今夜は中秋の名月、月が一年で最も美しく見える夜だ。

 そのことを先程とある生放送の中で聞いて思い出したのだが、ふとこの曲が頭の中に流れて来たので記しておこうと思う。

 私は基本的にメタラーだ。それはもうどこまでも根が深いもので、メタルじみた曲が聞こえると反射的に頭を振ったりアーティスト名と曲名を突き止めてCDを探したりと、最早バカの域に達していたりする。

 そんな私が特に愛しているメタルのジャンルは三つほどあって、一つがスラッシュメタル、一つがジャーマンメタル、そしてもう一つが北欧メロパワ/メロスピである。ちなみに次いで好きなのがデスメタル、ブラックメタル、ヌーメタルだ。古典ヘヴィメタルやグラムメタルなんかはそれほど好きではあるがそれほど熱心ではない。

 そんなわけで、今回紹介するソナタ・アークティカも私の守備範囲ドストライクのグループだ。

 彼らを知ったのは大体三年ほど前になろうか、メタル名盤○○選! などと言った記事を読み漁っていたころで、その中に彼らのファーストである『Ecliptica』が乗っていたのだ。

 それを見て他の数枚(記憶が正しければTNTの『Intuition』とOpethの『Blackwater Park』だったか)といっしょに買って、すぐに聞いた。

 結果は上々、と言うか最高すぎて叫んでいた。ハイテンポのビートに乗ってメロディアスなギターを遺憾なく披露し、ヴォーカルも全力で熱唱。どこまでも私のストライクゾーンを貫いてきた。

 まあそんなわけで、ソナタ・アークティカは私の特に好きなバンドの内の一組だったりする。

 そんな彼らの曲の中でも特に気に入っているのがこの『Fullmoon』だ。この曲はどこまでも美しく、また哀愁に溢れている。

 イントロのピアノソロから、力強いヴォーカルが入り、少しして同時にずっしりしたドラムとギターが参入。そして冒頭の物悲しさを多分に孕んだままテンポを上げて突き進んでいく。

 サビでは『Runaway! Runaway! Runaway!』とコーラスが入るのだが、これもまたこの曲のメロウな部分を引き立たせている。どこか弱弱しく、今にも演奏に飲まれて消えてしまいそうな気さえするこのコーラスは、この曲のメロディとヴォーカルを引き立てるのに一役買っているのだ。

 私がこういったタイプの曲に弱い、というのもあるだろうが、やはり心に染みわたってくるこの曲は、ソナタ・アークティカの楽曲群の中でも群を抜いて素晴らしいものだと、私は声を上げて主張したい。

 中秋の名月を見ながら聞くのにも丁度良い、哀愁に溢れたメロウな名曲。ぜひ一度聞いてみてほしい。

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