第7話 オレは何をしている?
余命が1か月と言われた姉は、所謂終活というものか、終わりにむけて動かなくなっていく身体で一つ一つやり残していたことを終わらせていた。
僕は姉のために何をしたらいいんだろう?何もわからないまま町に出て適当な和菓子と青いバラを買った。店員にお見舞いですか?と聞かれた。
家に帰れば姉はもう家にいなかった。東京の彼氏との家に帰ったらしい。どうやら結婚式の前撮りをしているらしい。医者によるとあと一週間で体が動かなくなるから日付を早めてもらった、とのことだった。
僕は一体彼女のために何ができるだろう?そして僕は僕のために何ができるだろう?
海外に出発する前の月、十数年飼ってた我が家の愛犬(とても賢い犬で近所の人からも愛されていた。)が風邪で倒れてしまった。そしてすぐに死んでしまった。何もすることができなかった。
僕も姉も共に泣きあった。姉は死に目に立ち会えなかった事が大きくショックだったようだ。今考えれば、姉はすでにその時には死期を悟っていたのかもしれない。だからこそより死を身近に感じる事件だったのかもしれない。この終活もそれが影響しているのだろう。
死へと向かいその準備をする姉、生へと向かっているのに何もできない自分。答えなんてきっとない。何をすべきか、何をすべきじゃないのか、高校生の僕にはとても酷な問いだった。
アイツとは関わんない方がいいよ。 A yurt(ア ユルト) @Ayurt
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