第3話
フィーネちゃんはテレビを観終え、電源を切って俺をソファーに座るように促して、俺はフィーネちゃんが座っている向かいのソファーに座る。
フィーネちゃんはキッチンへ行き、冷蔵庫を開けてなにかを取りだし、ティーカップにそれを注ぐ。見えたのは赤い液体だった。
「それって、血なの。フィーネちゃん」
「うむ、そうだが」
「その血はフィーネちゃんが人間から吸ったの」
首を横に振り、
「今は便利なネットから取り寄せているの」
と答えるフィーネちゃん。
吸血鬼なのに現代化してる!
「そうなんだ。ネットで買えるんだ」
びっくりしている俺にソファーに座るフィーネちゃんが血を啜りながら、
「いつまで、ここにいるの」
と聞かれた。
「夜まで居たいなと思うんですけど、だめですか。おじゃまですか」
「だめではないが。もうすぐしたら寝るからゆっくりしてくといい」
「ありがとう。フィーネちゃん」
血を飲み干し、
「私は寝るから起こさないでくれよ」
と言い残し、部屋を出ていった。
昼になり、持ってきたおにぎりを食べる。
夜になり、欠伸をしながらフィーネちゃんが戻ってきた。
「まだいたのか、君は」
「俺の名前は隅木鴻冶です」
「鴻冶か」
フィーネちゃんと話して、1時になったので帰ることにした。
「フィーネちゃん。また来てもいいかな」
扉を開けて、出る。
「ああ」
と了承してくれた。
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