第29話 magic

「さてと奏くん、誰もいなくなったところでストレートに質問を投げさせてもらうよ。君は特殊な力を持っていると僕は考えている。そしてMを殺害した犯人も同様にね、僕は正直まださっきまで君を犯人だと疑っていた。だがこの部屋の状況を見て少し思いなおすことにした。」


「少しですか?」


「ああ真実はまだ闇の中だ」


「だから全て隠さずに話してほしい、それが君の為であり、Mの為でもある」


奏はMとの出会いについて、全てを話すことにした。学校の課題の背景を描いたこと、突然その絵から歌が聴こえてきたこと、そして絵の世界に入りMと出会ったこと、突然消えてしまったこと、全てを話すまでに気付かないうちに涙が溢れていた。


誰かに話すことができて、ほっとしたような、自分の罪を告白するような。


「ふむ、ではMというのは記憶を失っていた為に、奏くんが名付けてあげたということなんだね。でもなぜMなんだい?」


「それは....ManのM、MusicのM、MysteryのMなど、まあその時浮かんで一番しっくりしたアルファベットをつけただけですよ」


「なるほど、では奏も知りたがっているこの物語の正体についてお話をしよう。とても荒唐無稽な話だが、これは現代ファンタジーなのだから、魔法もありなんだよ。」


魔法...何を言ってるか分からない...。


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