第19話 CD

何かどっと疲れた...Mは見つからず仕舞い、新しく女性が出てきていきなり抱きしめられるし。


そうかよく考えたら寝てなかった、もう今日は店じまいだ、寝よう!


っとそこに携帯に着信が、Liveハウス店長だった。


「よう相変わらずしけた面してんなー」


「電話じゃ顔見えないでしょ?」


「バカやろう俺ぐらいのベテランにでもなるとだな、電話からの声で分かるんだよ、オメェ今日は寝てねぇな?」


「な、何で分かったんですか!?」


「まぁいい、本題だ。出来たぞ」

電話先からでもニカっという店長の無気味な笑顔の音が聴こえてきそうなテンションだ。


「本当ですか!?すぐに、すぐに取りに行きます。」


ついに完成したCDを明日も待てずにまたしても走った、なんか最近走ってばっかり?


店長との世間話も程々に、さっさとCDを受け取ってまた家まで猛スピードで走って帰った。


ちなみに販売はそのLive HOUSEと、店長馴染みのレコード屋でとりあえず限定的な形で販売されるようだ。


このジャケットを見た人からとか、Mの手がかりが何か見つかるかもしれない。


家の近くまで来ると何やらパトカーらしき車が止まっているのが見えた、何かあったのだろうか。


家の入口付近までたどり着くと、警官が降りてきた。よく見るとあの時の河にいた警官だ。


「あぁ、やっぱりあの時の君かぁ」

向こうも覚えていたんだろう、そりゃ泥だらけになりながら今にも氾濫しそうな河をフラフラ歩いていたら、印象にも残るだろう。


「どうしましたか?何か事件でも?」


「ちょっと質問いいかな?」


「はい、でも僕にですか?」


「あぁ、実は昨日またあの河で事件が起きたんだ、詳しくは言えないが、君は昨日あそこにいたんだろう?」


ドクンと僕の胸の鼓動が不規則になった。まさか...


「はい、昨日は夜通しあそこで絵を描いていました。ただそんな事件とか起こっている様子はなかったですよ?」


まさか俺が疑われているのか?


「もう少し詳しく教えて欲しんだ、具体的に何時から何時まで、どこらへんで絵を描いていたのか。良かったらその絵も見せてくれないだろうか?」


別に構わないと思ったが、もし彼女が絵の中で歌でも歌っていようものなら、どう言えばいいのだろうか...しかし断る理由もなく、断ってしまうと余計怪しまれることになるのだろう。


仕方なく絵を見せる事にした。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る