第9話 who am I

レコーディング作業といっても、オケはDTMでほぼ出来上がってるため、店長と打ち合わせをして、多少?の手直しと、ボーカル音源の録り直しを重ねていた。


と言っても半分ぐらいは店長伝説と音楽とは、バンドとはについて熱く語られる時間だったことは後々話として語られるかもしれない。


「なあ奏、オメェさんバンド組む気はねぇか?」


「うーん今は特に、正直言うと次の曲もまだ何にも出来てないし...バンドやるより1人でチマチマ作業する方が性に合ってる気がするんだよねー」


「そっかまぁ気が向いたら声かけてくれや、すぐ見繕ってやるからな、そりゃそうとこのCDの名義はどうすんだ?

まさか例のアカウントのエビチリで出す気じゃねぇだろうな?」


「あ....スッカリと言うか、スッポリと言うか、うん忘れてた」


流石に店長も目を白黒させながら、目をパチクリとさせた後、腹を抱えて笑い出した。


「もうエビチリでもカニタマでも良いじゃないか?あーっはっはっ、いーひっひっひ」


チラリとMの事が頭に浮かんだが...

マジでどうしよう....


Mにでも相談しに行ってみるかなぁ、最近はレコーディングと学校の講義と課題で忙しかったからなぁ、あいつ生きてんのかな?」


元から存在自体が絵の中に住む住人として、人間なのか、それともゴーストのような存在なのか、はたまたただの俺の妄想世界、いや異世界転生?


答えが出ない問答にも慣れて、当たり前のように絵の中に存在するMの事を考えていたら、無性に会いたくなってきた。

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