第4話

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次の日、


"ピンポーン"


親とくつろいでいると、突然インターホンが鳴った


「あれ、今日って誰か来る約束あったっけ?」


父親の疑問に母親は首を傾げた。


"ピンポーン"


インターホンは再び鳴った。


「なかったと思うけど、とりあえず出てくるね」


はーいと言いながら母親はドアを開き、来賓者を見て唖然とした。


母親は黒いスーツの男性にその後ろは黒い車、間違いないと思った。


「どうも、突然すみませんね〜

私はPSCPサイキックセキュールコンテインプロテクトの者です。」


その場に少し沈黙が続いた。


ハッとした母親は口を開いた。


「…PSCPの者がどうして私たちのところへ…?」

母親の声は微かだけど、震えていた。


「先日、あなた達の娘の幼稚園を通っていたサイキッカーを迎えに訪れたのですが、たまたま、あなた達の娘さんもサイキックの持ち主だと言う事を目撃しまして、α地区への移動を…。」


「させるか!出ていってくれ!」


さっきまでソファーにいた父親は母親の隣に来て、男性に向かって言い張った。


父親の言葉に対して男性はフッと笑い、

「…では、日を改めて訪ねます。しかし、その子の運命は免れませんよ」


と言い残し、車に乗って走り去ったのだった。


親は黙ったまま、扉を閉じ、リビングへ戻った。


『ねぇ、さっきの人ってだれ?私転園するの?』


「誰が___なんかに渡すか!お前は知らなくていい…!」


父親はカッとした感じに言い張った

そんな父親に対し、母親は冷静に言った


「あなた、遅かれ早かれエステルは知るべきよ。」


それに対し、父親は黙ったままだったが、母親の眼差しに負け、ため息をついた。


「エステルよく聞いてくれ、お前のその力は特別なんだ。その力を持っている人達のことをサイキックと言って、そのPSCPはそういう能力を持つ人たちをα地区へ集め、保護しているらしいんだ。でも、身内であっても接近禁止・厳密なんだ。何しているのかすらわからんとこにエステルを行かせるのは俺達は不安なんだ。」


『そのα地区ってとこに行ったらお父さんたちに会えない?やだなぁ』


ここでお母さんが思い出したように言った。


「あの人、最後に日を改めるって言ってたわ、どうしましょう…。」


長い沈黙が続いた…。




その沈黙を破ったのは父親だった。




「海外へ引っ越そう。」

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PsYcHicER Волчонок_ヴォルチョーノク @Teenwolf

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