第10話 『バカ』の基準

次化学だぁぁ、とクソみたいな気分になっている葉山 華恵。16歳です。なんだか今日は憂鬱だなぁと思っていたけど、よく考えたら今日月曜日だ。そりゃ憂鬱になるよ…。朝から机の上でダラダラする。そんな私の元へ人1人駆け寄ってくる。約5話ぶりじゃないか、熊よ。

「ねぇ、次化学だよね」

「…うん」

ていうか自分で時間割表見ろよ。人に聞くのが一番効率が悪いだろう。

「確か化学ってテストあったよね」

「あるよ、組成式のテスト」

「えぇーなんでぇ!」

知らん、何故私にその答えを求めるのだ…

テストといっても20問程度の簡単な問題である。ふふん、満点取ってやった。

「華恵!何点だった?」

「…満点だけど」

「えぇー、華恵が?バカなのに?」

バカは余計だ。

「何点だったの?」

「私?0点!」

え?…今なんて言った?0?私の耳がおかしくなったわけでは無いよね?

「勉強していなかったからなぁ」

それを糧にあんたは勉強から逃げているだけだろう。さっき私のことをバカにするような発言をするもんだから、勿論満点だと思っていたのにあんたは0点かよ。どっちがバカなんだよ。ていうか、


この熊にとっての『バカ』って何を基準にしているんだよ…

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