第9話 給湯器が壊れた原因
給湯器がやっと直って喜んでいる葉山 華恵です。あぁ、すごい嬉しい!自分の家でお風呂に入れるということにこんなにも喜びを感じるとは。私って素直でいい子!そんな給湯器。実は修理に出したわけではない。父親が直したのだ。本当はその日に大家に行って欲しかったが、父親が聞かないので、「勝手にすれば」になってしまっていた。そして壊せばいいとさえ思っていた。だが、直ってしまったのだ。父親が調子に乗るのは目に見えていた。案の定、調子に乗った。この時ほど自分はこの人の娘なんだなと思ったことはないだろう。私の家の給湯器のメーターは外にある。この前の雨でブレーカーが落ちたのだろう。と、思っていたのだが…
「ブレーカーじゃなくて、もっと根本的なところが」
「根本的なところ?」
ちょっと意味わからん。というかだいぶ意味わからん。
「コンセントが外れてた」
「…は?」
えーと、普通外れないよね、だってあれドライバーとかがないと簡単には外れない仕組みだし。
「…誰かのいたずら?」
「ちょっと警察に行ってくる」
母親が立ち上がってそんな言葉を吐く。
「待て待て待て待て、直ったから大丈夫」
母親恐るべし
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