第8話 家庭の事情
お風呂を洗おうとしているよ!葉山 華恵です。私は家に帰るととにかく家事をしなければならない。だから最近家に帰るのが嫌なのだが、仕方ない。そしてやはり家に帰ってきた瞬間風呂掃除である。少しは勉強する時間ぐらいくれ。それなのに成績が下がると怒るのだ。色々矛盾していますよ。でも、勉強時間があったとしても多分勉強しない私である。なんたって、テストの提出物出さないしなぁ。だから成績下がるのか。納得、だからといって何もしない。シャワーを出す。お湯になるのを待つ。待つ…待つ…待つ…流石に遅いな。あ、給湯器の電源入ってないし。よいしょ、ポチッとな。ポチッとな…ポチッとな…は?いや待て。洗面所の給湯器の電源を押す。押す…押す…押す…は?嘘だろ?は?
「ちょ、ママァ!」
なんで?ちょっと待って。
「何?」
「お湯出んよ!」
私は焦りすぎて言葉遣いがおかしくなる。母親は一瞬「何いっているんだろう?」という顔をして、風呂場へ向かう。押す。押す。押す。
「……どういうこと?」
「私に答えを求めないで」
ということで、私の家のお風呂はお湯が出なくなった。家の近所に住んでいる父方の祖父母の家にお風呂を借りる羽目になる。私は小さい頃よく入っていたから慣れているけれど、母親は初めてである。
「行きたくなぁい」
「……お風呂はいらない気?私は嫌だから、入らなかった場合、明日私に近寄らないでね」
「…殺すぞ」
恐ろしや。
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