バカなやつにバカといったところで何になる？

第5話 天地転換

はい、こんにちわ。バイト終わりの葉山 華恵でございます。あー、今日は14時に終わるはずが会計が長引いて、結局帰ってこれたのは15時である。バイトとは本当に大変だが、成功した達成感はなんとも言えないほど美味である。今日はそんな達成感は１つも味わえないバイトであった。間違えまくっていった。本当に申し訳ない。どれだけペコペコしただろうか。…やばい、自信喪失しちまいそうだ。こういう時は寝るに限る。だが、こういう時に限って、私の邪魔をする。

スマホがバイブし、愉快に電話の着信音を鳴らしてくる。画面を見ると相手は熊ときた。またお前か。ていうか、お前どんだけ暇なの？

「……もしもし」

無視するわけにもいかない…というより無視すればもっと面倒なことになる。

『あ、もしもし。華恵？』

以外にいないだろうが。私のスマホだぞ。

「どうしたの？」

『今、暇だから一緒に遊ばない？』

え？嫌なんですけど…

「…私今バイトから帰ってきたばっかりで疲れた」

『えー？いいじゃんか、気分転換に行こうよ』

それ、ただお前が行きたいだけだろうが…しかも、私にとって『気分転換』ではなく『天地転換』で、これからお前は私を地獄に連れて行こうとしているのだぞ…。外でてみろよ……くッそ暑いんだぞ？！