青年には記憶がなかった。目覚めて最初に訪れた村が「魔獣」に襲われたとき、彼は成り行きのままに巨人へと変身、魔獣の撃退に成功する。
領主の砦で出会った少女リズから「レイ」という名を賜った青年は、彼女とともに世界を旅し、魔獣を送り込んでくる異星人たちと対決していくことに――
……というわけで、一言で表せば「ファンタジー設定でウルトラマン」です。
黒幕である異星人との戦いという縦糸はありつつも、基本的には各5話前後の章がひとつのエピソードとして独立している構成。特撮ヒーロー番組のオーソドックスなスタイルですので、取っつきやすく感じる方は多いでしょう。
スケール感のある巨大バトル描写はもちろん、旅の中で絆を深めていくレイとリズの気持ちがどこに着地するのかというドラマ面も注目を誘います。
当然、特撮ドラマや怪獣映画を好む方におすすめ。
このジャンルは何を置いても実写特撮が一番……というのは否定できませんが、実写特撮は製作にお金がかかるためユニークなモンスターを量産できないのも確か。
文章によって描写される怪獣にも食指を動かしてみると満足できるかもしれません。