ホメロスの鳴る音

如月凪月

第1話

 一人で暮らすには少しだけ広く、二人で暮らすには些か狭い部屋。それでもなんとか窮屈を感じることなく生活出来ているのは、わたしが小柄だからだろう。きっとそうに違いない。

 山奥にぽつんと佇む家屋が、わたしの、わたしたちの住まいだ。

 ぴったりと空を覆うように被さる灰色が、太陽光を阻害している。けれど、そんなことどうでもいい。わたしは今、とっても幸せなんだから。

 十三歳のころ、この山奥で蹲っていたわたしを拾ってくれたのが、今目の前で柔和に笑っている妙齢の女性だ。わたしは彼女のことを、お母さんと呼んでいる。そう呼ぶと決まって彼女はにこやかに笑ってくれるので、幸せな気持ちになる。

 なんでも、わたしはその時泣きじゃくっていたらしい。らしいというのは、わたしに過去の記憶がないから。なにも知らないまま、なにも分からないまま、わたしはここで暮らすこととなった。これでいい、ということだけ唯一分かっているし、たぶんそれだけでいいのだ。

 お母さんと一緒に窓の外を見る。灰色のもくもくが、今にも地球を攻撃してきそうで少し怖くなった。お母さんも同じ気持ちだろうから、わたしは猫みたいにお母さんに寄り添った。頭を撫でてくれた。しわしわになった手の感触が伝わってきて、やっぱりわたしは幸せになる。もうこの時にはもくもくのことなんて忘れていた。

 わたしは頭に乗っかっている手を優しく掴んで、目の前に持ってくる。

 線があった。

 お母さんの手は、きっちり四等分に分けられていた。ロボットみたいだ、と思う。でも、わたしはそんなこと関係なく、手を握る。するとお母さんもぎゅっと手を握り返してくれた。嬉しいが部屋に充満する。その匂いを堪能しつつ、目を瞑った。

 恐怖がなくなり、変わりに睡魔が訪れる。

 こうなるとわたしははやい。すぐに、眠ってしまう。

 微睡みの中、離れていくお母さんを見て悲しくなった。いつでも一緒なのに、どうしてかわたしが眠る時だけはどこかへと消えてしまう。悲しい。悲しい。でも眠たい。睡魔には耐えられない。

 また目を開けたら、一緒に居てくれる。

 なんだかそう思うと安心して、わたしはそのまま睡眠に身を投げた。

 かちり、と。

 鳴った。



 朝か昼か夜かもわからない。ここが山奥で、空が灰色に包まれているから、という理由も勿論あるけれど、一番の理由はわたしがそれを気にしていないからだ。

 だから、今が何時で何年で何日なのかも分からない。曖昧ではなく、本当に分からない。それでもわたしは息をしているので、時間というものは生きるのに必要のないことなのだろう。

「おはよう、椎名」

「おはよ、お母さん」

 椎名、というのはわたしの名前だ。さっきも言ったけれど、わたしにはここに来るまでの記憶がごっそりと抜けているので、この名前はわたしの本名じゃない。それでも、椎名という文字列を気に入っていた。だからこそわたしは椎名であり続ける。お母さんから貰ったこの名前を忘れることはない。

 寝て起きても、部屋が広くなっているなんてことはなかった。当然なんだけれど。

 机、ソファー、そして小さなテレビ。ぶらうんかん?というらしい。この時代にぶらうんかんを使っている家なんてここくらい。とお母さんは言っていた。中身を弄って電波を拾うようにしたとも言っていた気がするけど、わたしにはよくわからなかったから、適当に相槌を打っておいた。凄いなあ、とは思った。

 ちょこんと簡素なソファーに腰かけるお母さんの隣に、それに倣うようにして座る。お母さんがわたしの頭に手を乗せる。いつものこと。変わらない日常。ここに来てから、毎日優しさに触れている。

 お母さんがリモコンを操作した後、数秒遅れてぶらうんかんに光が灯る。がさがさとノイズのような音が部屋を這いずるけれど、それもいつものことなので気にしない。

 小さな箱の中で、大きな大人たちが動く。

 その口の動きに合わせて、音が鳴る。

『ロボット愛好家なんてものが、巷にはいるみたいですが。私には理解できませ』

 大人が最後まで言葉を紡ぐことはなかった。ぶらうんかんが突然に光を灯すのをやめて、真っ黒になったから。

 お母さんの手が頭から離れる。なくなった体温を名残惜しく思いながら、わたしはお母さんを見上げた。震えていた。

 ぶらうんかんにリモコンを向けているその親指は、攻撃的な赤色で出来た電源というボタンに触れていた。ここで気が付いた。ぶらうんかんを殺したのはお母さんなのだ。

 四等分の手を、わたしは優しく包んだ。ぎゅっと握りしめた。きっとお母さんもこれが好きだろうから。安心するだろうから。その皺を一本一本なぞるように、全部を肯定するように、わたしは撫でた。

 小さな箱では、ロボットの話をしていた。

 そして、お母さんの手はロボットのような形をしている。

 きっと、お母さんはわたしに気をつかってくれたのだ。このロボットの手を好いているわたしが、傷つかないように。ぶらうんかんを殺してくれた。ありがとう。優しいね。そうやってまた、優しさに触れた。何度も、何回も。ロボットの手を、何度も、何回も、触れた。

「だいじょうぶ?」

 返事の代わりに、頭の上に手が戻ってくる。

 いつも通り。

 それは間違いなくいつも通りのお母さんだったから、わたしは安心した。

 安心したからか、また眠くなってきた。うとうとと目を開けたり閉じたりするわたしを見て、お母さんは心配そうに顔を覗き込んでくる。

「大丈夫? ……最近、眠くなること多くなってきたけれど。どこか痛いところはない?」

 さっきのわたしが口にしたものと同じ言葉。

 眠くなることとどこかが痛むのは全く関係がないじゃないか、とは思ったけれど、それを声に出すことはしない。心配してくれているという事実だけが、嬉しかったから。

 だからわたしは、お母さんの手をぎゅっと握った。大丈夫だよと伝えるように。

 思いはしっかりと届いたらしく、お母さんは安心したように柔和に笑った。そこにさっきまでの不安の表情はない。それを見て、わたしもまた安心する。そうするとなぜかやっぱり、眠くなる。

 手に体温を感じたまま、わたしは目を閉じる。

「椎名が寝るのなら、お母さんも一緒に寝ようかな」

「うん。そうしよう」

 今日は寝る時も一緒に居られる。心が軽くなった。不安が体外に排出され、その分の幸せが詰め込まれるのを感じる。

 目を閉じているから分からないけれど、多分きっと、今、お母さんはわたしと同じように目を閉じているに違いない。

 小さな部屋の中、ひとつだけ。

 かちり。と、鳴る音。



 目を開けると、そこには未だ眠っているお母さんがいた。

 悪い夢でも見ているのか、随分と苦しそうな顔をしている。はじめてみるその表情に、わたしは少しだけ怖くなった。

 今気が付いたことだけれど、お母さんが眠っているところを見るのは初めてだった。

 わたしが起きている時は、お母さんもずっと起きている。そんな生活を、もうずっと続けていたのだ。今考えると変だなと思うけれど、その時はそんなこと全然思わなかった。それが当たり前だと思っていた。何年も、何年も。とは言っても、ここには時計もないしカレンダーもないから、何年一緒にいるかなんてわからないんだけれど。

 それでも、確かな愛を感じられるくらい、長い時間を共に過ごしているのは事実だ。お母さんの外見も、時間が経つにつれてどんどんと変わっている。変わっていることがわかるくらいの歳月は、一緒にいる。同じ空気を吸って、同じ幸せを噛み締めて、同じ話題で笑って。そしていつも、頭に手をおいてくれる。それがわたしの人生。それがわたしにとっての幸せ。

 眠っているお母さんの頭に手を乗せてみたけれど、楽しくはなかった。どうしてお母さんはこんなことを毎日してくれるのだろう。楽しいのだろうか、それで幸せなのだろうか。長い時間一緒に居るのに、わたしはなんにも知らない。それがどうしてか悲しくて、涙が出そうになった。泣いていないか確認するために頬を撫でてみたけれど、そこに水滴はなかった。泣いてなんていなかった。

 寝ていると思っていたお母さんの手が、頬を撫でていたわたしの手に重なる。手の甲に走る線を確認してから、その突然の行動に驚いた。

「おきたの?」

「ううん、ずっと起きてたよ」

「じゃあどうして寝ているの?」

 お母さんは唸るように考え込んで、びょーき、と答えた。

 なるほど、どうやら起きたまま寝ることをびょーきというらしい。また新しい知識が増えた。賢くなれた。またひとつ、距離が縮まった。嬉しい。夜と愛は少しずつ深くなっていく。

「いつびょーきじゃなくなる?」

 そう聞くと、やっぱりまた考え込んで、一拍を置いてから「もう治らないかもねえ」と呟いた。

「びょーき嫌?」

 お母さんは苦しそうに、でも静かに微笑んで、椎名がいるなら大丈夫。と言った。

 質問に対する答えではなかったから、わたしは不貞腐れて頬を膨らませた。お母さんは時々こうやってよくわからないことを言う。そこだけ、わたしは理解できなかった。でも、理解する気もなかった。そういうもの、で片付けられるくらいのことだったから。理解できなくても、幸せだから。関係ないけれど、お母さんの困り顔は、少しだけ可愛らしかったから、これからも嫌われない程度に困らせてやろうかなと思う。

 わたしは、世界を知らない。

 知っているのは、お母さんと、この部屋と、ぶらうんかんと、窓から見える灰色のもくもくと、あとは、びょーきのこと。それだけ。

 幸せになるのに、知識はいらない。

 今あるものだけ、そのままあればいい。

 だけれど、なぜかこの時わたしは、お母さんの色々な表情を見たいと思っていた。これまでの全てを包み込んでくれる優しい笑顔だけあればそれでよかったのに。なぜだかわたしは、もっと、もっと表情を引き出そうとしていた。

 たとえば、わたしが新しい知識を持っていた時の、驚いた表情とか。

 眠る時もだけれど、わたしはこうなるとはやい。

 考え付いてから行動に移るまで、コンマ一秒の迷いもない。

 それはやっぱり今も同じで。わたしはお母さんの手をするりと抜け出すようにして、何年振りかの外の空気を浴びた。

 それは案外、悪くはなかった。

 音は鳴らない。

 大人には、ならない。

 椎名、と後ろ側でわたしの名前を呼ぶ声が聞こえたような気がしたけど、今日は少しだけ、反抗してみようかなと。

 大地を蹴りながら、それだけ思った。



 随分と遠くまで来たような、でもやっぱり近いような。

 そんな場所に、わたしは訪れていた。

 窓から見える景色とは百八十度異なるそれが、眼前に広がっていた。

 もくもくを突き破るかのような大きな建物。ものすごいスピードで目の前を走っていく、四つの車輪が付いた小さな家。……もしかすると動物かもしれない。あとは、あとは……。と挙げていけばきりがない程、そこはわたしの知らない世界だった。

 この世界を全て記憶して帰れば、お母さんは驚くに違いない!

 新しいものを覚えたらすぐに帰ろうと思っていたのだけれど、ここにはその新しいものが多すぎる。全部覚えて驚かせてやろうと意気込んで、わたしは歩いた。小さな歩幅で、大きく堂々。

 お母さん以外で人を見るのは初めてだった。いや、もしかすると消えた過去の中で会っているのかもしれないけれど、わたしはそれを覚えていないので、今日が初めてだ。経験が突然に積み上がっていくのを感じる。

 わたしの隣を抜けていく人達は皆、わたしを二度確認する。一度目は背景としてのわたし。二度目は異物としてのわたし。なにか、変なことをしているだろうか、と不安になるけれど、膨大な知識の前にその不安は霞んだ。

 それでも、声は聞こえる。音はしっかりとわたしの耳を撃ち抜く。

「なあ、今の見たか? あれが今噂のロボット愛好家ってやつか?」

「ああ、そうかもな。ロボット愛好家は自分もロボットみたいな風貌にするって聞いたことあるし。大方あの頭もロボットに憧れた結果だろ」

「気持ちわりぃ。ロボットと人間が仲良くなんてなれるかよ」

「声、大きいぞ。変に絡まれたら面倒だ。なにせ相手はロボット好きの頭のおかしい奴なんだ。気を付けろよ」

 全部、聞こえていた。

 会話を脳内で反芻させるようにして思い出しながら、わたしは自分の頭を撫でてみた。

 それほどおかしいところはないように思う。重力に従うようにして髪は垂れているし、頭の形状だって今の人たちと同じだ。なんら、変なところはない。

 少しだけ、本当に小さい違和がしこりのように残ったけれど、わたしはそれを気にしないようにして、どんどんと歩を進める。

 部屋の窓なんて比にならないくらい大きい窓。

 人間に引かれるようにして歩いている、形の違う四足歩行の毛が異常に発達した人間。もふもふでかわいい。猫と似ているけれど、多分違う。

 徒歩の何倍もの速度で走ることのできる、二つの車輪がついたものを器用に乗りこなす人。

 ぶらうんかんと似ている、薄っぺらい大きなテレビ。

 家を出て、色々な世界を見た。

 きっと、お母さんは驚くだろう。ぶらうんかんじゃなく、薄いテレビに変えるかもしれない。そしてそれは、わたしのおかげなのだ。わたしの言葉で動いてくれるかもしれない。そう考えただけで踊り出してしまいそうなくらい嬉しかった。

「はやく、伝えに帰ろう」

 やっぱりというか、そこからははやかった。



 ぽつんと佇む家屋。

 わたしはたたたっと駆け足で中に入る。途端に足裏の痛みがなくなる。外には小さな石や砂利があって、それを踏み抜く度に小さな痛みを感じていたのだ。裸足のまま外を歩くのはいけないな、と思った。それと同時に、やっぱりわたしの居場所はここであるとも。

「椎名、どこに行ってたの」

 勝手に外に出たのだ、怒っていても不思議ではない。

 だからわたしは、いつものように寄り添うことはしなかった。けれど、こういう時にどうすればいいのかも分からない。どこまでも無知な自分の愚かさを嘆いた。

 恐る恐るといった具合に、わたしはお母さんとの幅を狭めていく。まだお母さんは起きたまま眠っている。びょーきというのは、恐ろしい。

 手を伸ばせば触れられるくらいの距離。

 わたしとの心の距離。

 お母さんは、手を伸ばして、その四分割された手を使って、いつものようにわたしの頭を撫でた。なにかを確認するように。なにかを悟ったように。お母さんの手つきは、今までにない歪なものになっていた。けれど、確かにそこに愛はあった。わたしがそう思っているのだから、きっと愛はあるのだ。

 わたしは、「だいじょうぶ?」と問いかけた。質問に答えなかったお母さんの気持ちが、少しだけ理解できた。またひとつ、わたしは賢くなる。

 お母さんは、お母さんも、わたしと同じように質問に答えることはなかった。

 ……いや、違う。

 今ならわかる。

 大丈夫では、ないのだ。だから答えられない。わたしに不安を抱かせないように気をつかってくれている。

 わたしはなにをしていいか分からず、ただ黙っていた。

 数分の沈黙が流れた後、ぽつりぽつりとお母さんが言葉を紡いでいく。空間に言葉を優しく置いていくように。空気を撫でるように。空白だらけだった言葉が、いつしか洪水のように流れ出していた。そしてわたしは、それを黙って聞いていた。

 お母さんの頬に水滴が伝って、やがてそれは重力に従い下へ下へと落ちる。落ちた先には、なにもない。あれが涙か、と、こんな時なのにわたしは思っていた。

「椎名を買ってから五十年、本当に幸せだった。暗い毎日を照らしてくれたのは、ほかの誰でもない、椎名だったから」

 溢れる。

 表面張力を使ってぎりぎりで耐えていた感情の水が、流れる。

 いつも通りじゃないことくらい、わたしでも気が付いた。

「ねえ、お母さんのことは、好き?」

「うん、好きだよ」

 今度はしっかりと返事をした。

 紛れもない。この感情に嘘はない。偽りはない。わたしはお母さんが好きで、お母さんもわたしが好き。好きが溢れるこの部屋が、わたしは好きだった。

 その答えを聞いて、お母さんは安心したように、優しく微笑んだ。わたしはその表情を何度も見てきた。幸せの表情だ。わたしはそれを知っていた。学ぶ必要なんてなく、身をもって。

 もう一粒、涙を流して、お母さんは掠れた声で言う。

「ならよかった。なんの悔いもないです。ありがとう、椎名」

「うん。ありがとう」

 どうしてここまでお母さんが饒舌になっているのか、わたしには分からなかった。寝て、起きたらまた話せるのに。いつだって会えるのに。わたしはもうどこにも行かないのに。

 お母さんはもう一度、わたしの頭を撫でる。今度はなにかを確認するような素振りはなく、純粋に、慈しむように。わたしはそれを感じていた。

 お母さんはどこか納得したように、それはまるでそうであってくれと願うように、私の目を見て口を開く。

「やっぱり、椎名は人間よ。だって、ロボットと人間が仲良くなるなんてありえないものね」

「うん。そうだね」

 なにを当たり前のことを。

 それを言って満足したのか、お母さんは目を閉じた。今度は苦しそうな表情ではなく、幸せそうに眠っていた。多分だけれど、心地の良い夢でも見ているのだろう。起きたら聞かせてもらおう。

 頭の上に乗っている手。四分割の手。ロボットのような手。

 やがて、体温は失われる。

 なんだか、家に帰って安心したのか、わたしもまた眠くなってきた。

 そうなってから、わたしははやいのだ。

 お母さんに寄りかかるようにして、わたしは眠りにつく。

 膝から崩れ落ちるような形で、睡眠の向こう側へと飛んだ。

 息の消えた、小さな部屋。


 椎名の頭から、一つの部品が落ちる。

 幾度となく充電を繰り返し、摩耗しきったバッテリー。ロボットにとってのコアであるその部分には、分かり易いように名前が付けられている。

 RV=417。

 椎名の購入者は、椎名を安心させようと頭を撫でていたわけではない。

 頭にある、バッテリーがまだ生きているかどうかを確認していたのだ。

 山奥、ぽつんと佇む家屋。

 かちり。

 その狭い部屋の中で、命と充電の切れる音だけが、鳴る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ホメロスの鳴る音 如月凪月 @nlockrockn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る