『やましんさん、フレ、フレ!』

やましん(テンパー)

『やましんさん、フレ、フレ!』

ごき一等兵『やましんさんが、落ち込んでるようです。ここで、死なれたら、我らの居場所がなくなります。』


ごき大将『それはまずい。家ネズミ将軍🐁に伝令をだせ。どぶネズミ大将🐭にも。のら猫女王🐈、ついでに、青大将閣下🐍にも。またあと、庭のアリ族🐜の女王さまにも。毛虫閣下🐛にも、クモ帝王🕷️と、それから、また、蚊さんのボスと、蛾将軍にもだ。あ、やすで大将と、むかで大帝にも。ダニ皇帝にもだ。緊急会議だ❗お互い食べ会うのは無しと伝えよ!』


ごき一等兵『は!』

  


     🐜🐜🐜🐜 🐀🐁 🐈 🐍 🐛 🕷 🐼?



 それから、史上初となる、『やましんさん激励大会準備委員会』が立ち上がったのである。


ごき大将『本日、お集まりいただいたのは、やましんさんを励ます企画を考えていただくためである。落ち込んでるやましんさんに、これからも、元気に食べかすを出してもらい、罠や、生物化学兵器などの使用をしたくならない、快適な環境を提供し、長生きしてもらい、われわれもながく、ここで、繁栄できるように、するためであります。なにか、よい、たのしい企画を立てたいのであります。』


のら猫女王『あのー、ハッキリ言って、あたしにゃ〰️〰️〰️関係ないわ。ここに住んでいるわけじゃなし。たまに通るだけにゃんこ。』


ごき大将『しかし、あなた、あちこちひっかいたり、臭い落とし物するでしょ。』


のら猫女王『まあ〰️〰️〰️にゃ〰️〰️〰️。ねこは自由に生きる!ひとは、利用価値があって、初めて役に立つ。やましんさんは、役立たずなんですにゃんこ。』


ごき大将『まあ、無理強いはしませんがねぇ。ふふん。』


のら猫女王『なんにゃんこよ?』


家ねずみ将軍『これからは、あなたは、『仮想敵にゃん』から、『攻撃対象にゃん』、にしましょう。なに、数の勝負ちゅ。』


ごき一等兵『われらも、あなたの身体中に、たかりましょうぞ。』


ダニ皇帝『同意する。』


のら猫女王『そら、めんどくさいにゃんこ。わかったわよ。さっさとおきめあそばせにゃんこ。』


ごき大将『では、どういう企画がよいか?』


青大将閣下『のど自慢はいかがかな?』


ごき大将『あー、失礼ながら、大将閣下は、お歌いに、なるのですか?』


青大将閣下『いやー、ぼくは、審査員です。』


ダニ皇帝『われらも、こえが、小さい。』


ごき大将『は?なんと?』


ダニ皇帝『声が小さいと申しておる 😡。』


のらネコ女王『態度、でか!』


ごき大将『ああ、マイクをたのむ。ああああ~~~~テステステス・・・では再度どうぞ。』


ダニ皇帝『わらの声は小さい故、ひとには聞こえまいと申しておる。』


ごき大将『なるほど、しかし、マイクがあれば、良くきこえますぞ。陛下。』


ダニ皇帝『そうか。おほん。ならばよい。まあ、歌わぬこともないぞ。『流れだに一本勝負』とかがよい。”♬ながれ~~ながれ~~て、え~~~~、にっくきあいてを、さがしたび~~~~と♪』


ダニ皇帝臣下『陛下。それは、仇討の歌ですぞ。』


のら猫女王『へったくそ、にゃんこね。』 


ダニ皇帝『良い歌に区別はない。』


家ネズミ将軍『ボロリはいかがかな?』

 

ごき大将『ぼ・ボロリ? なんだ、そりゃあ?』


家ネズミ将軍『やましんどのは、盆踊りの事を『ボロリ』と呼んでいたと、かつてやましん家の引っ越しの際、わが先祖は、大きな箱の隅に潜んで付いて来たのですが、言い伝えに寄れば、やましんさんは、その、ボロリが好きだとか。しかし、このあたりは、慣習が違い、さみしい思いをしていたという。そこで、我が一族伝来の情報により、やましんさんが好きだった『ボロリ』を再現するのである。』


どぶネズミ大将『我が一族も、実は、別の箱の中に隠れて、やって来たと伝わる。ただ、そうした秘伝書はない。北陸地方のおせんべいが、大好物であったと聞くがな。』


ごき大将『おせんべいが好きなことは、わかっておりますぞ。まあ、原産地は違うでしょうが、わが物資部隊が、一袋、大袋を、調達しております。』


くも帝王『我らは、あまりよくして貰ったことがないが、まあ、軒先をたくさん借りているが、そのわりには、巣はほうきでよく払われるが、めったに殺生はしてこない。協力はしよう。しかし、『ボロリ』というものには、舞台が必要だが?』


ごき大将『こわれた冷蔵庫が玄関先にあるから、あそこの上あたりが、よかろうと思います。』


ごき一等兵『そこは、せまいですよ。』


ごき大将『そうか・・・・』


蚊さんのボス『あたしゃ、血を吸いたいなあ・・・。いや、まあ、つまり、やましんさんは、血を分けた兄妹だからね。にぎやかしなら、してあげるよ。』


ごき大将『血は吸わないでほしい。』


蛾将軍『われらの、巨大皇帝陛下は、参加されるかどうかわからぬが、まあ、空中爆撃飛行なら披露いたそう。』


蚊さんのボス『おたくの皇帝陛下って、あのB-29みたいなやつかい。』


蛾将軍『ふっるいな~~~~。B2とか言ってくださいよ。』


むかで大帝『われらは空は飛ばない。舞台の上でのダンスなら可能ちゃんね。』


やすで大将『うん。あたしたちも、そう。でも、音楽はどうするのかい?』


ごき大将『そこですな。この際、やましんさんとこにいる、幽霊さんとか異次元人一家さんとかに頼んでみますか。そうしたら、ご近所にはわからない。また、本物のような、よいやぐらを組んでくれるかもしれませんぞ。そこらあたりは、のら猫女王様が、お付き合いあるでしょう?』


のら猫女王『そうきたかい。まあ、ね。我が一族には、霊能力がある。いいよ。頼んでみてあげる。ぬいぐるみさんたちも、一緒に出れば、いいにゃんこ。』


アリ族女王『ならば、わが働きアリさんを総動員して、舞台設定の手伝いはいたしましょう。』


毛虫閣下『ぼくらは、蛾さんの子供だよ。上からぶら下がったり、上がったりして、賑やかしならできそう。』


青大将閣下『飾り紐の代わりしてやるぜ。』


ごき大将『おお! すばらしい。地球始まって以来の、大イベントができそうであるな!!』



  ************   ************



 またまた、まだ残暑がきつい、いや~~~~~な夜です。


 なんとはなしに、むなしい世の中。


 世の中、いじめた方が、いつまで~~も、偉そうにしているし、(まあ、当たり前だけどなあ。人間界も弱肉強食社会ですからね~~~。)退職しても、やたら地位にこだわるもんだから、弱い人はいつまでたっても弱い。かつての上司は、退職しても、退職者の会とかで、なにやら、高い場所にいますよね。


 そうじゃない、立派な方も、時に、いらっしゃいますが。


 まあ、そのほうが、まとまることは、事実ですしね。


 何か、きさま、やれと言われても、そんな元気はないし。


 でも、ぼくは、おかげさまで、望んでいた、ひちりぼっちの生活が出来ているので、文句言う筋合いは、まったくないのです。


 あとは、お話したくさん書いて、音楽沢山聞いて、笛を吹いて、消えゆくのみよ!


 と、うとうとしていたら、例のごきさん軍団が、また布団の上や周囲に現れたのです!


『また、おせんべかい?』


 と、良く見れば、大量のごきさんが、矢印を作っているのです。


『ひえ~~~~~~!!こらあ、おったまげたあ。』


 ぼくは、気味悪いし、とにかくついて、行きました。


 矢印は、階段を下り、ぐるっと方向転換し、玄関を指しています。



 あそるおそる、その玄関を開けて、お外に出たら・・・・・・


『みなさまあ! 『大ボロリ』大会開催で~~~~~す!!』


『ぎわ~~~~~~~!!!』


 叫び声とも、羽音とも、歯ぎしりともわからぬ、壮絶な音が飛び交いました。


 太鼓の音が、おどろおどろしく、響きました。


 不思議なことに、おうちの周囲は、霧の中で、ご近所も、まったく見えません。


 そこには、子供時代に見た、あの盆踊り(ボロリ)のやぐらが、ぐわっと、立っています。


「ええええ~~~~!」


 音楽が始まりました。東京音頭です。


 なんだか、周囲には出店もたくさんある。


「こらあ・・・・狐にばかされた状態ですかあ・・・・・・なんか、どっかで、こんなこと、書いたようなあ・・・・・」


 赤や青の提灯・・・・


 ぎらぎらと飛び交う人魂!


 舞台の上で踊っているのは、しかし、ごきさんやら、ネズミさんやら、巨大なやすでさんやら、なんだか、幽霊さんらしき人や、あきらかに人間ではない何かやら。


 その、舞台の周囲には、これまた特大の青大将さんが、とぐろを巻いております。


 おくちから火を吹きながら、舌を天空高く、ビョロビョロさせています。


 さらに、その舞台の上では、まるで、B-29みたいな、蛾さんが、急上昇、急降下を繰り返します。


『やましんさん。いらっしゃい。』


「えええええええ、え~~~~~~~!!」


 なんで、彼女がここにいるの???!!!!


 それに、うぎゃ~~~~


『やましんさん、お久しぶり。』


「うわあ~~~~~双子の女王様????どうなってるのお~~~~?????」


 やましんのお話の中の常連さんです。


 両方から、腕を掴まれて・・・・いああ、こんな経験ないよなあ。


 舞台の下の周囲にも、同様に、うちわを手にした、たくさんの、大きなネズミさんや、夜中に良く庭を走り回る、あの、のらねこちゃんや、大量のごきさんや、もうきっぱりと間違いなく幽霊さんらしき存在から、骸骨さんやら、なんか、あからさまに、『異星人』みたいな人まで、おまけに、玄関からは、お家の中にいる、ぬいぐるみのくまさんやパンダさんたちが、踊りながらやてきました。


 ・・・・もう、次々に、どんどん、出るわ出るわあ!!!!!!





   ************  💃  ************


















 
















 






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『やましんさん、フレ、フレ!』 やましん(テンパー) @yamashin-2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る