7


いつの間にか、俺はお風呂から上がって部屋に戻ってた。

あれ、変だぞ?お風呂に入った記憶がないぞ。

俺はお風呂に入った記憶を思い出そうとしたら。

うっ!!そうだ……男達の素っ裸を見て頭が真っ白になってシャットダウンしてしまったんだった。そんな事を思っていたら


《りん、おかえり。ちゃんと約束を守ってくれて早く帰ってきてくれたんだね》


《あぁ……ただいま》


《どうしたの?りんなんか、元気ないみたいだけど》


クロが心配して聞いてきたけど。

うっうっ!あの事を思い出して話すのには、まだ心の準備が出来ていない。

なので適当な言い訳をした。いつかなれるといいな(しばらくかかりそうだけど)


《久しぶりのお風呂だったから、のぼせちゃったんだよね。それよりナユナとシンシアさんはまだお風呂なのかな?》


《そうだっんだ。2人はまだお風呂に入ってるよ。だから、ナユナとシンシアが先にお風呂から上がる前に、りんが帰って来てくれて本当によかったよ!》


しめしめ何とか話を誤魔化せたぞ。それにしても、そうかまだ2人はお風呂から上がってないのか。

やっぱり女の人はお風呂に時間がかかちゃうな。

うん!だからナユナとシンシアさんには部屋のお風呂に、入ってもらって正解だったな。

何たって女の人はお風呂でやる事が多いもんね。トリートメントとか色々とね。

そんな事を思っていたら、お風呂があるドアからガチャっと音がして、そのドアからルームウェア見たいな服を着たナユナとシンシアさんの2人は髪を拭きながら出て来た。


「あっりん君。大浴場から帰って来たのね。りん君のおかげでナユナとゆっくりお風呂に入れたわ。ありがとうね」


「はい、りんさんのおかげで、わたしもゆっくりお風呂に入れました。りんさんありがとうございます」


「うん、2人がゆっくりお風呂に入れてよかったよ。それよりも2人とも早く髪を乾かさないと風邪引いちゃうから早く乾かしなよ」


俺がそう言うと2人はそれぞれ風の魔法を使って髪を乾かし出した。

それにしても、改めて思うけど便利だな魔法って風の魔法を使えばドライヤー代わりになるんだもん。初めてナユナが魔法で髪を乾かしてた時はびっくりしたけどね。


しばらくすると、髪を乾かし終わった2人が


「さてと、髪も乾かし終わったし。早く着替えて食堂に行かないとね。トーマ達を待たせてるしね」


「そうですね。流石にこの格好で食堂には行けませんしね」


そう言って2人は服を脱いで着替え始めようとした。

え!ちょっと待ってくれ2人とも男の俺が居るのに、何でいきなり着替え始めてるんだ。


「ちょっと待って!2人とも着替えるなら、俺外で待ってるから!」


俺がそう言うと2人はキョトンとした顔で俺を見てシンシアさんがくすりと笑って


「フフ、そんなの気にしないわよ。今までだってりん君の前で着替えてたじゃない。ねぇ、ナユナ」


「はい、そうですよ。だからわたしも気にしてませんよ」


「いやいや、俺が気にしますから!俺、男なんですから気にしてくださいよ!」


俺は大声を出して必死な声で2人に訴えかけた。


「うーん……わかったわ。ごめんなさいね。ダンジョンでりん君が一大決心したのに、その本気をちゃんと受け入れてなくって」


「わたしもりんさんの本気を受け入れてなくってごめんなさい」


そう言って2人は頭を下げて謝ってくれた。


まぁ、確かにダンジョンの中では普通に同じ空間で着替えてたしな。

そりゃあ、いきなり男らしくしても2人は戸惑っちゃうよね。

俺も大浴場で男達の素っ裸を見て頭が真っ白になって記憶が飛んだしね。


「それじゃあ、俺は外で待ってますね」


「わかったわ。なるべく早く着替えるわね」


「わたしも早く着替えますね。それにトーマさん達も待ってますしね」


2人の言葉を聞いて俺は廊下に出て待つことにした。


しばらくすると2人が部屋から出てきて


「りんさんお待たせしてすみません」


「お待たせ。それじゃあ、トーマ達の所に行きましょうか」


ええ!2人とも着替えるの早くないか、時間にして1、2分くらいしか経ってないぞ!

ちゃんとスキンケアとかしたのかな?!


「2人ともそんなに急がなくても、いいんだよ。スキンケアとかちゃんとした?」


「大丈夫よ。それにダンジョンに入ったらお肌の調子もよくなったし。ゆっくりスキンケアなんてしなくても大丈夫!」


シンシアさんは自信たっぷりに言い切った。


「わたしは元々スキンケアとかはしないので大丈夫ですよ」


そうなんだ……スキンケアしないのにナユナの肌は綺麗なんだな……昔の俺ならナユナの事を羨ましいと思っただろうな。


「ソウナンダ」


ちくしょう!やっぱりちょっと羨ましいぞ!

いや、今は男なんだから羨ましがってたら変だよな。


「それじゃあ、トーマ達も待ってるし食堂に行きましょうか」


そして、俺達はトーマさん達が待ってる食堂に向かった。

食堂に向かながら思ったけど、それにしても何度も思うけど魔法って便利なんだなって言うか風の魔法はドライヤー代わりになるし水の魔法は魔力がある限り水が無制限に使えるんだよな。


多分、他の属性魔法も便利な事が出来るんだろうな……それに引替え神聖魔法って生活に使えそうな事って無いんだよな……

どうせなら、他の魔法も使えるよになりたかったよ!



俺はそんな事を思いながらトーマさん達が待つ食堂に向かうのであった。

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